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「キャラクターマーケティングとはどのような取り組み?」「キャラクターマーケティングを導入することで得られる効果は?」キャラクターマーケティングに興味があるものの、こういった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
自社のイメージに合ったキャラクターを活用してプロモーションすれば、ブランディングや集客などさまざまな効果が期待できます。
当記事では、キャラクターマーケティングの概要やメリット・デメリット、効果などを解説しています。過去の成功事例も紹介しているため、最後までお読みいただくことでキャラクターマーケティングのイメージがつかめるでしょう。
キャラクターマーケティングとは、既存の、もしくは独自のキャラクターを使ったマーケティングです。既存のキャラクターには、漫画やアニメ、ゲームなどに登場するキャラクターなどが考えられます。
キャラクターは消費者に親しみを持たれやすく、活用することで商品やサービスにおいて他社との差別化が可能です。
付随するストーリーや性格などもキャラクターに共感や親しみを持たれる要素となります。そのため、自社が打ち出したいイメージに合致したキャラクターを起用することが重要です。
近年では、SNSで人気のキャラクターがマーケティングに活用されるケースもあります。キャラクターは、企業だけでなく行政でも活用されており、「ご当地ゆるキャラ」もその一例です。
キャラクタービジネスは、2022年度で約2兆6千億円の市場規模があると推計されており、活用次第で大きな効果を期待できます。
参照:株式会社矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査を実施(2023年)」
引用:株式会社矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査を実施(2023年)」
©2023 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
なお、キャラクター以外も含めたIP全般を使ったマーケティングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
キャラクターマーケティングを行うと、以下の効果が期待できます。
ブランディングから販売促進まで、期待できる効果は幅広いといえるでしょう。
一つ目は、キャラクターを使用することで、企業や商品の認知度を向上させる効果です。
企業のイメージを消費者に伝えることは一方的な発信になりやすいため、消費者が受け入れにくい場合があります。キャラクターを使うことで消費者が企業に親しみを持ち、受け入れやすくなるでしょう。
実際に、キャラクターを用いたCMや広告に親しみを感じるかを調査したデータがあります。
引用:広告朝日「キャラクターマーケティングとは? その効果と、朝日新聞社の事例を紹介!」
Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No republication without written permission.
「キャラクターを使用することで親しみを感じる」との問いに全体の36.8%が「あてはまる」「ややあてはまる」と回答していました。全年代に共通してキャラクターに親しみを感じることがわかるでしょう。
キャラクターマーケティングを行うと、キャラクターの認知度が高まると同時に商品や企業の認知度向上が期待できます。また、SNS上での消費者による拡散により、認知度が高まる場合があります。
キャラクターの使用により、高い集客効果や販売促進が見込めるでしょう。キャラクター次第では、広告塔として強いアピールが期待できるためです。
たとえば、イベントを開催する際にキャラクターを活用することで注目が集まり、来場者数の増加を見込めます。またキャラクターとコラボした商品を展開することで、新たな潜在顧客層にリーチできたり、ファン層の購入を促せたりするでしょう。
集客や販売に力を入れたい場合、キャラクターマーケティングは効果的な戦略の一つとなります。
キャラクターマーケティングは、企業ブランディングにも影響します。キャラクターのイメージが結びつけば、効果的に一定の印象づけができるでしょう。
たとえば、キャラクター設定で印象づけられるイメージは以下のとおりです。
キャラクターが企業の顔となれば、キャラクターへの愛着が企業へのイメージアップにつながる効果も期待できます。
サービス業や製造業など、イメージを伝えにくい企業にもキャラクター起用は有効です。
また、起用するキャラクターを通じてブランドに新たな方向性を示すこともできます。たとえば、メルセデス・ベンツは任天堂のゲームキャラクター「マリオ」を起用しました。
人気ゲーム『マリオカート8』にメルセデス・ベンツが登場しているのです。ゲームに登場させることで、これまでの高級車のイメージに遊び心を加え企業イメージの幅を広げました。
引用:メルセデス・ベンツ日本「メルセデスが任天堂のWii Uゲームソフト『マリオカート8』に登場」
©Nintendo
キャラクターをうまく活用することで、世間からのイメージをよい方向に広げたり印象づけたりできます。企業ブランディングに大いに役立つでしょう。
キャラクターを使うことで、顧客と企業の結びつきが強くなることも見込めます。キャラクターが企業に代わり、顧客とコミュニケーションできるためです。
たとえば、チャットやLINEなどでキャラクターが、企業の顔として消費者の質問に答える施策が想定できます。愛らしいキャラクターを起用することで、一般に言いにくいことを伝えられるなど、ユーザーとのコミュニケーションに効果的です。
また、キャラクターにストーリーを持たせることで、企業やブランドへの理解を深めてもらいやすくなるでしょう。
イベントや展示会などでもキャラクターは効果的です。キャラクターの着ぐるみやぬいぐるみを用意すれば、企業を認識しやすいうえに、SNSでの拡散が期待できます。
キャラクターの入ったグッズをプレゼントとして用意するなど、コミュニケーションツールとしても活用可能です。
自社キャラクターが育てば、キャラクターそのものを収益化できます。自社キャラクターの認知度が高くなると、キャラクターの版権で収益化できるためです。
他社がキャラクターを使用する際に使用料を得たり、キャラクターを商品化して販売したりできます。
キャラクターの版権活用は、原価率が低いうえ人気が続けば長期の収益化が可能です。
たとえば、ハローキティなどの人気キャラクターで知られるサンリオは2023年度3月期において約720億円の売り上げがあり、このうち版権販売は約85%を占めています。
参照:BUSINESS INSIDER『キティ50周年目前のサンリオ、7期連続減収減益からV字回復の秘密。「推し活」追い風にしたキャラクター戦略の凄み』
引用:BUSINESS INSIDER「キティ50周年目前のサンリオ、7期連続減収減益からV字回復の秘密。『推し活』追い風にしたキャラクター戦略の凄み」
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引用:BUSINESS INSIDER「キティ50周年目前のサンリオ、7期連続減収減益からV字回復の秘密。『推し活』追い風にしたキャラクター戦略の凄み」
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上記のように、キャラクターの知名度により版権で大きな収益が見込める可能性があります。
なお、IPビジネスのメリット・デメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
自社のキャラクターを使ったマーケティングにおける以下について解説します。
自社のキャラクターを育てることは、失敗のリスクもありますが、成功すればリターンも大きいといえます。
自社キャラクターを使用するメリットは、版権を気にせず使用できるため自由度が高いことです。自社のキャラクターであれば、利用に関する規制がありません。
キャラクターデザインの自由なアレンジが可能です。キャラクターの性格や生い立ちなどを自由に設定できます。
使用期間に制限がないことも大きなメリットです。使用が長期化しても使用料が発生することがありません。
WebサイトやSNSなど2次的な使用も自由です。さらに、前述のとおりキャラクターが育つことで版権収入が得られるなど企業の資産になります。
自社キャラクターを使うことで懸念されるのは、人気キャラクターを育てるのが難しいことです。
キャラクターが消費者に認知されるには時間がかかります。世間に認知されずに失敗となることもあるでしょう。
たとえば、ゆるキャラは2021年度には47都道府県と815市区において、1,553キャラクターといわれています。
参照:日本経済新聞「目指せくまモン 全国1500超、ゆるキャラに託す発信力」
2023年度の純粋想起の好意度調査での、ゆるキャラ人気度ランキングは以下のとおりです。
引用:C-station「純粋想起による2023年の好意度ランキング(ご当地キャラ&タレント・有名人&Vtuber編)|マンガキャラクター活用の極意【第二部】」
COPYRIGHT © 2024 KODANSHA LTD.ALL RIGHTS RESERVED.
1,553キャラクターのうち、有名といえるのはわずかではないでしょうか。このことからも、キャラクターの認知度を上げることは難しいといえます。
また自社で作成したキャラクターが、すでに商標登録されているキャラクターとイメージが重複していないか十分な注意が必要です。さらに、キャラクターを育てるうえでSNS発信などでの言動にも注意が必要であるなどのリスクが生じます。
既存キャラクターを使ったマーケティングにおける以下について解説します。
自社のキャラクターがなくても、既存のキャラクターとタイアップすることでマーケティングに活用できます。
既存キャラクターを使うメリットは、人気キャラクターを使うことで高い集客・販売効果が期待できることです。人気キャラクターを使用したプロモーションは、強く消費者に訴求できます。
また、キャラクターの知名度やファン層を事前に把握できることもメリットです。プロモーション規模に応じたキャラクター選択やターゲティングができるため、計画的な施策を展開できるでしょう。
すでに知名度のあるキャラクターを起用すれば、早い効果が期待できるため、自社キャラクターを育てるより短期間で成果を得られます。
そういった「IPコラボ」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
既存のキャラクターを使うデメリットは、使用に関して制約がある場合が多いことです。キャラクターの使用条件や期間など、さまざまな条件によりプロモーションの自由度が下がる場合があります。
既存キャラクターの関係者のSNSが炎上するようなことがあれば、巻き添えに遭い、自社のイメージダウンにつながるおそれも考えられます。
キャラクターマーケティングをうまく活かすポイントを以下に解説します。
マーケティングとキャラクターの方向性を合わせることが大切です。
マーケティングの目的を明確にすることは重要です。マーケティングの目的によってキャラクターの使い分けが求められます。
たとえば、新商品のPRであれば短期的な素早いプロモーションが必要です。その場合、知名度の高い既存のキャラクターを使うことで効果を得られるでしょう。
企業のブランディング目的なら、自社キャラクターを育てることで安定したイメージ作りに貢献してくれる可能性があります。時間はかかりますが、企業と一緒にキャラクターも成長していくイメージです。
適切にキャラクターを使うためには、まずマーケティングの目的を明確にしましょう。
ターゲットの分析・設定をしっかり行うこともキャラクターマーケティングにおいて大切です。
狙ったターゲット層にアピールできるキャラクターでなければ、プロモーション効果が半減します。使用したいキャラクターのファン層とプロモーションのターゲット層を分析し、合致させることが重要です。
世代やライフスタイルなどの違いにより、消費者の関心はさまざまなことに向けられます。ターゲットの趣味嗜好に合わせたマーケティングを行うことで、高い効果が得られるでしょう。
使用するキャラクターと企業に親和性があることも大切です。キャラクターと企業のイメージがマッチすることで消費者に受け入れられやすくなります。
使用するキャラクターのデザイン性だけでなく、性格や設定など内面的な要素を企業イメージに合わせることが大切です。
知名度の高いキャラクターを使えばそれだけで必ずしも効果が得られるとは限りません。企業イメージにマッチしたキャラクターを使用しましょう。
キャラクターマーケティングにおいては、使用するキャラクターの改変に注意が必要です。著作者に使用の許可を得た場合も、キャラクターの改変をすると著作者人格権の侵害となる場合があります。
著作者人格権とは、著作者の人格的な利益を保護する権利です。具体的に以下が挙げられます。
キャラクターの改変は、デザイン面だけではありません。キャラクターの性格設定も該当する場合があります。
実例としては2007年、同一性保持権に触れるとして「ひこにゃん事件」がありました。
同事件は、使用されたキャラクターを改変したとして、原作者がキャラクターの使用中止を求めたものです。改変内容は、キャラクターにしっぽを付け加えたり「肉好き」である性格付けをしたこととされています。
参照:InnovationS-i「ひこにゃん事件って何で大騒ぎになったの??~著作権人格権にまつわる話」
既存キャラクターの使用・改変においては、事前に確認をとることが重要です。
キャラクターマーケティングの事例を以下に紹介します。
引用:ちいかわ
©︎ナガノ/ちいかわ製作委員会
『ちいかわ』は、「なんか小さくてかわいいやつ」の略で、ナガノさんの原作による漫画作品です。ラインスタンプやグッズ販売など、商品販売での市場規模は100億円を超えるといわれています(2023年度推計)。
参照:国立国会図書館レファレンス共同データベース「ちいかわの経済効果を知りたい。」
ちいかわは、2022年4月からフジテレビ系列「めざましテレビ」内で放送されています。ちいかわの大ヒットもあり、YouTubeめざましテレビ公式チャンネル全体の再生回数は1億3千万回以上にもいたります(2024年4月現在)。
参照:YouTube「めざましテレビチャンネル」
X(旧:Twitter)の「ちいかわ」公式アカウントのフォロワーは315万人を超えるなど、高い人気があるキャラクターです(2024年4月現在)。
参照:X「ちいかわ アニメ火金」
引用:LAWSON「ローソンクルー♪あきこちゃん」
Copyright © Lawson, Inc. All Rights Reserved.
ローソンは、チャットボットやLINEなどでオリジナルキャラクター「ローソンクルー♪あきこちゃん」を展開しています。
「ローソンクルー♪あきこちゃん」は、20歳の大学生でローソンでアルバイトをしているという設定のキャラクターです。TikTokやYouTubeなど数々のSNSを展開しており、Xのフォロワーだけでも835万人います(2024年4月現在)。
参照:X「Lawson Japan official X 」
チャットボットでは、おすすめを紹介してもらうなどの会話が可能です。ユーザーとの会話で得た情報は、商品開発などにフィードバックされます。
引用:楽天「お買いものパンダオフィシャルサイト(ダウンロードコンテンツ、ランチョンマットA3サイズ)」
© Rakuten, Inc.
楽天では、独自のキャラクター「お買いものパンダ」を起用しています。2013年にスタンプ用のキャラクターとして公募したことが始まりです。
リリース直後から500万人に利用され、2022年7月時点では5,300万人を超えるなど人気を得ています。
2016年、テレビCMに起用したところ約2,300のテレビCMの中から好感度トップ10に選ばれました。2016年からは「楽天市場」に加えて、楽天の各サービスとのコラボレーションを実施しています。
パンダカフェやオリジナルグッズが発売されるなど、ブランディングだけでなく商品作りにもキャラクターを活かした事例です。
参照:Rakuten「Okaimono Panda’s Story お買いものパンダの誕生と成長の物語」
引用:Zespri「キウイブラザーズ とCM」
©Zespri Group Limited, all rights reserved
ゼスプリは、キウイをモチーフにしたオリジナルキャラクター「キウイブラザーズ」を起用しました。キウイブラザーズ が登場するまでは、石原さとみさんや剛力彩芽さん他、人気タレントをCMに起用しています。
タレントの起用は、知名度獲得には効果的でした。しかし、ゼスプリのキウイの美味しさや栄養価が伝わりにくいのではないかと懸念が生まれます。
そこでゼスプリは、キウイを前面に押し出すオリジナルキャラクターづくりをはじめ、誕生したのがキウイブラザーズです。
2016年、テレビCMと連動しキウイブラザーズのぬいぐるみを全国1万店舗のスーパーに置くなどキャンペーンを展開しています。その結果、キウイの輸入量が約1.5倍に増える効果を得られました。
参照:ORICON NEWS「ゼスプリ、キウイブラザーズ効果で輸入量が約1.5倍に CM路線変更による“アゲリシャス”なキャラクター戦略とは」
キャラクターマーケティングは、独自のキャラクターや既存のキャラクターを活用したマーケティングです。プロモーション内容に合ったキャラクターを起用できれば、ブランディングや集客などさまざまな用途に活用が可能です。
プロモーション方法にお悩みの場合は、キャラクターマーケティングを検討してみてはいかがでしょうか。
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