「『ちいかわ』のマーケティング戦略を知りたい」「具体的なプロモーション方法や企業コラボの事例を学びたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
『ちいかわ』はキャラクターの魅力だけでなくマーケティングも優れており、わずか数年でキャラクター市場における確固たる地位を確立しました。現在では日本国内のみならず海外でも人気を集めている状況です。
本記事では、『ちいかわ』のマーケティング戦略のポイントや企業コラボの成功事例、市場規模を詳しく解説します。
最後まで読むことで『ちいかわ』がマーケティングに成功した理由がわかり、ビジネスに役立てられるでしょう。ぜひご一読ください。
『ちいかわ』のマーケティング戦略には次の4つのポイントがあります。
1つ目のポイントは、安定したSNS発信です。
『ちいかわ』の物語はSNS上でほぼ毎日更新されているのが特徴です。短くて親しみやすい形式で手軽に読めるため、ファンは日常的にSNSをチェックする習慣が生まれ、日常的に新しいエピソードを楽しんでいます。
ちいかわの特徴は愛らしい絵柄のキャラクターが話すブラックユーモアや一言ボケです。キャラクターの可愛らしさとユーモアが組み合わさることで、多くの人の注目を集めやすいです。
たとえば、ちいかわが日常の出来事を楽しんだり、小さな困難に直面したりするシーンは、多くのフォロワーの共感を呼び、頻繁にリポストされ「いいね」が多く集まります。
また、ちいかわは現実の世界とリンクした内容が多く、ファンは自分の日常と重ね合わせて楽しめるのです。現実感と共感性が、SNSでの共有をさらに促し、多くの人々に注目されています。
SNSによる安定的な発信が、ちいかわのマーケティング戦略の重要な柱といえるでしょう。
多彩なメディアミックスも『ちいかわ』のマーケティング戦略のポイントです。
具体的には以下のような多様なメディアで展開されています。
たとえば、書籍版はSNSで発信されたエピソードや書き下ろしがまとめられ、物語性を重視する層に受け入れられています。アニメ版『ちいかわ』は平日早朝に地上波で放送されるほか、YouTubeチャンネルでも無料配信されており手軽に視聴できるため、若年層を中心に人気です。
また、コラボカフェや展示会は実際にファンが参加できるイベントとして展開し、ファンとのつながりを強化できる場です。オフラインで認知を獲得できることも強みといえます。
ちいかわのメディアミックスは、単にキャラクターを露出させるだけでなく、書籍やアニメなど各メディアの利用者層の違いを活かし、既存のファンの維持と新規ファンの獲得の両方を支えているのです。
『ちいかわ』のマーケティング戦略においては、季節に合わせたプロモーションと限定商品が効果的に打ち出されています。
『ちいかわ』の限定商品は、発表されるたびにSNSで話題になります。消費者の「逃したくない」という感情を引き出し、購買行動に直接つながるのです。
たとえば、クリスマス限定ぬいぐるみやハロウィン特別デザインのグッズは、発売されるとすぐに売り切れることが多く、ファンの間で高い人気があります。季節ごとに特別なデザインやテーマがあり、コレクターズアイテムとしても価値があるためです。
『ちいかわ』のIP(知的財産)を活かしたライセンスビジネスは、ブランドの多様な商品展開と市場拡大に貢献しています。
ちいかわは独特のキャラクターとブランド価値を活かして、以下の幅広いカテゴリーにわたる領域にライセンスを提供してきました。
IPのライセンスビジネスは、ちいかわの国際的な認知度を高める効果もあり、海外市場での展開も加速しています。
たとえば、中国の生活雑貨チェーン大手の名創優品とコラボした商品が、現地の若者の間で爆発的な人気を博しました。
IPを活かしたライセンスビジネスの戦略は、ちいかわブランドをいっそう強固なものにし、広範な市場での成功を確実なものにしています。
参照:東洋経済ONLINE「中国の若者が日本の「ちいかわ」グッズに長蛇の列」
『ちいかわ』と企業がコラボレーションしたマーケティングの成功事例を2つ紹介します。
引用:くら寿司株式会社「ちいかわ達がお寿司になっちゃった!?お寿司に変身したかわいいフィギュア等が手に入るくら寿司×「ちいかわ」コラボキャンペーン」
©2020 Kura Sushi, Inc. All Right Reserved.
くら寿司と『ちいかわ』のコラボキャンペーンにおいては、2024年3月度の既存店売上高が前年同月比で23.0%増加する成果を達成しました。
キャンペーン内容は、ちいかわをフィーチャーした特別メニューの提供やオリジナルグッズをプレゼントするものです。期間中はグッズが品薄状態になるなど大きな反響がありました。
また、第1〜3弾と期間を分けて異なるグッズを提供することで、リピート利用やSNSでの口コミを活発化させ、来店促進を可能にしました。
くら寿司の事例は、人気キャラクターの効果的な活用とターゲット市場の正確な把握が成功ポイントです。限定商品の希少性が消費者の購買動機を刺激し、短期間での売上増加を実現した好事例といえるでしょう。
参照:TradersWEB「くら寿司-新高値 3月度の既存店売上高23%増ちいかわコラボなど寄与」
参照:Yahoo!ニュース「【緊急事態】くら寿司に異変が…!ちいかわコラボが大反響すぎて『ビッくらポン!付きメニュー』が消えた…(わんこそば)」
引用:東武タワースカイツリー株式会社「ちいかわ☆星ふるスカイツリー TOKYO SKYTREE®」
© TOBU RAILWAY CO., LTD. & TOBU TOWER SKYTREE CO.,LTD. ALL Rights Reserved
「ちいかわ☆星ふるスカイツリー」は、『ちいかわ』と東京スカイツリーがコラボレーションしたイベントです。
スカイツリーの展望デッキを利用して、ちいかわのキャラクターたちと星空をテーマにした特別な演出が行われました。来場者は限定グッズの購入やコラボカフェの利用、オリジナルコンテンツの体験ができるとともに、夜景と融合したちいかわの世界観を楽しめました。
引用:株式会社PR TIMES「ちいかわ☆星ふるスカイツリー(R)ちいかわ・ハチワレ・うさぎの特別グリーティング追加開催決定!」
© PR TIMES Corporation All Rights Reserved.
結果として来場者数の大幅な増加につながり、とくにコラボカフェは整理券が配られるほど盛況でした。また、SNSでも多くシェアされ、イベントの口コミ効果も見られました。
「ちいかわ☆星ふるスカイツリー」は、ユニークなロケーションと人気キャラクターを組み合わせることで、新たな顧客層を引きつけ、既存のファンにも新しい楽しみを提供する成功事例となりました。
人気キャラクターとのコラボレーションイベントは、ブランドの認知度向上だけでなくファンとのつながりを深めるための効果的な手法といえるでしょう。
『ちいかわ』の市場規模を3つの数字で見てみましょう。
『ちいかわ』の書籍シリーズの累計出版部数は、電子版を含めて2023年12月時点で270万部を超えています。
ちいかわは2020年1月から新設された単独のXアカウント上で漫画の連載がスタートしました。2021年2月12日には講談社より単行本が刊行され、連載開始からわずか数年で270万部に達したことは、作品の魅力が迅速に広がった証拠です。
また、書籍の売上が好調であることで、出版業界におけるキャラクター商品の成功例としても注目されています。
参照:日刊SPA!「人気漫画「ちいかわ」が“SNSでバズりまくる”意外な理由。「漫画家の権利問題」変革にも期待」
『ちいかわ』の公式Xアカウントには、2024年7月時点で約330万人を超えるフォロワーがいます。さらに、Instagramのフォロワー数は2024年7月時点で約68万人に達しています。
2020年1月にXアカウント(@ngnchiikawa)」が開設され、短期間で約330万人ものフォロワーを獲得できたのは、キャラクターの人気の高さとSNSでの強い影響力を示しています。
参照:X「ちいかわ💫アニメ火金(@ngnchiikawa)」
参照:Instagram「ちいかわ(@ngnchiikawa)」
「ちいかわ」のYouTubeの総再生回数が2023年11月に累計総再生回数2億回を突破しました。
/
— 『ちいかわ』アニメ公式 (@anime_chiikawa) November 23, 2023
㊗️YouTube総再生回数2億回突破🎊
\
TV #アニメちいかわ を応援いただき
ありがとうございます✨
2億回再生のお祝いに
アニメちいかわの総作画監督の浅尾遥さんから
イラストが届きました💕
引き続きアニメちいかわを
よろしくお願いします🌼#ちいかわ pic.twitter.com/kGYvQlRFnt
YouTubeの総再生回数は、アニメーション、特別映像、およびキャラクター関連のコンテンツが視聴者に受け入れられているかどうかの重要な指標となります。
ちいかわのYouTube配信は2022年4月のアニメ放送と同時期にはじまりました。わずか1年半で累計2億回の再生数に達するのは驚異的なスピードといえるでしょう。
『ちいかわ』は幅広い世代に認知されているキャラクターです。
日本リサーチセンターが2022年12月に実施した「最近よく目にする・流行っていると思うキャラクター」の調査では、15〜59歳の幅広い年齢層で『ちいかわ』が1位となりました。
引用:株式会社日本リサーチセンター「キャラクターweb好感調査Part3:よく目にする・流行っているキャラクター」
ちいかわはSNSやYouTubeなどのデジタルメディアを通じて人気が広がり、いまや世代を超えた認知度をもつキャラクターといえるでしょう。
『ちいかわ』が大人からも人気がある理由は次の3つです。
『ちいかわ』の世界観には、少しダークな要素が含まれており現実の生活と共通しています。キャラクターが直面する日常的な挑戦や不条理は、読者の実生活と重なる部分があり、多くの大人たちの共感を呼ぶのです。
たとえば、草むしり検定でちいかわが検定に落ちてしまうシーンは、努力しても報われない現実を象徴しており、多くの読者にとって共感の対象となっています。日常生活で誰もが経験するかもしれない問題や挫折がテーマになっているため、ストーリーに共感を覚える人が多いです。
『ちいかわ』の少しダークな世界観と現実の生活に共通するテーマは、大人たちの共感を呼び、幅広い世代から愛される理由の一つといえるでしょう。
『ちいかわ』のキャラクターたちは表現豊かで、リアルな感情が描かれており、読者や視聴者が感情移入しやすいでしょう。個性豊かな表情や行動は、日常生活のなかで感じるさまざまな感情を反映していて、読者や視聴者に親近感を与えます。
キャラクターのハチワレが何かに挑戦して失敗する場面や、うさぎが仲間を助けるために奮闘するシーンでは、現実世界の困難と重ねあわせやすいのではないでしょうか。こうした共感のプロセスが、キャラクターへの愛着を強める要因と考えられます。
さらに、キャラクターたちは、個々のエピソードを通じて成長や変化を見せることが多いです。それらを見守ることで、物語の進行を楽しみに待つようになります。
ちいかわは、リアルな感情表現と共感を呼び起こすストーリーテリングによって、幅広いファン層を獲得しています。
『ちいかわ』の漫画は、作者のナガノさんによってX上にほぼ毎日新しいエピソードが公開されるため、読者は常に新しいストーリーや展開を楽しめます。高頻度に更新して常に新しいコンテンツを提供し続けることで、飽きさせることなく興味を引きつけられるのです。
また更新されるたびに、SNSでは最新のエピソードがすぐに共有され、ファン同士での感想や考察が交わされています。読者は新しいエピソードが公開されるたびに議論したり、自分なりの解釈をシェアしたりすることで、さらに深く物語に引き込まれていくのです。
ちいかわは継続的に新しいエピソードを提供することで、ファンの関心を引き続け、その世界を広げています。
本記事では『ちいかわ』のマーケティング戦略について解説しました。『ちいかわ』のマーケティングの戦略のポイントは次の4つです。
『ちいかわ』は4つのマーケティング戦略を組み合わせることで、幅広い世代から愛されるキャラクターとなり成功を収めています。
『ちいかわ』のマーケティング秘訣を参考に、自社のキャラクターマーケティングに活かしてください。
X(旧Twitter)をフォローして
最新情報を受け取ろう
あわせてこちらの記事もチェック!