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「マーケティング戦略とは何か」「なぜマーケティング戦略が必要なのか」
自社にマーケティングを取り入れたいものの、こういった疑問はないでしょうか。マーケティング戦略は、自社商品やサービスの提供の方向性を決めるうえで重要です。
当記事では、マーケティング戦略について具体的な戦略の立て方や活用できるフレームワークを解説しています。成功事例や成功のポイントも紹介しているため、ご覧になることでマーケティング戦略の概要が理解できるでしょう。
マーケティング戦略とは、簡単にいうと自社の商品やサービスなどを販売する仕組みを整えるための戦略です。
マーケティングとは、市場環境や顧客のニーズを把握したうえで求められる価値を作り出し顧客に届けることを意味します。どのような施策でマーケティングを展開していくのかを計画することがマーケティング戦略です。
マーケティング戦略を決めるうえでは、主に以下の3点を明確にすることが重要です。
上記を明確にしてマーケティングに取り組むことで、限られたリソースをより重要度の高いことに分配できるでしょう。
マーケティング戦略が重要視される理由は以下のとおりです。
マーケティング戦略が重要視される理由の一つは、よい商品やサービスを作るだけでは売れなくなっているためです。
現代は世の中に出回る商品の数が増えており、認知の難易度が高くなっています。そのため、ものがよいからといって必ずしも売れるわけではありません。
また、広告媒体が増えたことで情報が飽和し、埋もれてしまいがちです。そのため、マーケティング戦略を立てないと情報を消費者に適切に届けることさえ難しいでしょう。
顧客に自社の商品やサービスを選んでもらえるよう、戦略的な取り組みが必要です。
マーケティング戦略が重要視されるのは、リソースを最適化し効率的に販売促進できるからです。
マーケティング戦略で顧客ニーズや競合と自社の強み・弱みを分析することで、市場で自社が勝ちやすい領域を見つけられます。
その領域にリソースを集中投下することで、効率的に利益をあげられるでしょう。ターゲット以外にコストを投下しても勝ちづらく、リターンが見込みづらいため、経費を無駄にするおそれがあります。
顧客ニーズと競合のポジションを理解することで、自社商品の強みが理解でき競争力が向上します。
マーケティング戦略においては、顧客の特性やニーズごとに市場を細分化します。その結果、自社製品にしか出せない特徴やそれに紐づくターゲット層が明確になるでしょう。他社では真似できない商品やサービスが開発できれば、参入障壁が高まり競争力がつきます。
また、顧客視点に立った商品開発やサービスの提供は顧客ロイヤリティの向上にもつながります。顧客ロイヤリティが向上するとリピート購入されるようになり、競争力が向上するでしょう。
マーケティング戦略の立て方の5ステップは以下のとおりです。
マーケティング戦略において最初にすることは、市場環境の分析です。まずは、市場調査で市場規模や市場の動向、市場内の現状のプレーヤーなど市場の全体感を把握しましょう。その後、3C分析を用いて市場環境を分析します。
3C分析は顧客・競合・自社を分析するフレームワークで、まずは顧客ニーズを分析します。あわせて競合と自社それぞれの強みや弱みを比較しておくことで、のちの工程がスムーズに進むでしょう。
3C分析のフレームワークについては、後に解説します。
市場環境の分析結果をもとに、市場を細分化(セグメンテーション)してターゲットを決定します。
大まかな顧客の状況を把握したら、特性やニーズなどの属性ごとに市場を分類していきましょう。顧客を分類する切り口を変数と呼びます。
市場の分類の例は以下のとおりです。
変数 | 分類の例 |
---|---|
地理的変数 | ・地域 |
人口動態変数 | ・年齢 |
心理的変数 | ・パーソナリティ |
行動変数 | ・商品に求める価値 |
市場の細分化ができたら、どの層をターゲットにするかを決定します。
市場内の各セグメントにアプローチするためには、異なる戦略が必要になるため、膨大なリソースが必要になるでしょう。そのため自社の商品やサービスと、とくに相性のよいターゲットを定めることで、効率的なアプローチができます。
なお、ターゲットマーケティングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ターゲット層が決まったら、次は自社のポジショニングを考え自社ならではの価値を決めます。ポジショニングとは、市場の中での自社の立ち位置を見極めることです。
ターゲット層に効率よくアプローチするためには、自社がどのような存在になるかを検討する必要があります。競合と自社の強みや弱みもふまえ、定めたターゲットに、どのような価値を提供できるか検討しましょう。
その際に、ターゲットを特定の一個人にまで落とし込んだペルソナを設定することも有効です。
マーケティングにおけるペルソナについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
これまでに検討してきたことをふまえ、マーケティングミックスにより具体的な戦術を決めていきます。マーケティングミックスとは、ターゲットに効率的にアプローチするための戦術を具体的に決めていく作業です。
マーケティングミックスを検討する際は、4P分析のフレームワークを活用できます。4P分析においては以下の4点を分析します。
具体的にどのような商品やサービスをいくらで販売すればよいのか、そしてどのような方法で販売するのが的確なのかを分析します。
4P分析のフレームワークについては後に解説します。
マーケティングミックスにより具体的な計画が整ったら、施策を実行し結果を分析します。施策の効果は定期的に検証し、同時に市場の動向もチェックすることが大切です。
分析した結果をもとに、必要に応じ施策に修正を加えます。継続的にPDCAを回すことで戦略が最適化されていくでしょう。
マーケティング戦略のなかで活用できる代表的なフレームワークは以下のとおりです。
これらのフレームワークを順番に活用することで、マーケティング戦略を立てられます。
3C分析は、顧客や市場などの環境を以下の3つの視点から分析するためのフレームワークです。
顧客のニーズや競合、自社の強みと弱みなどを把握することで、マーケティングの成功要因を導きます。
3C分析は、前述したマーケティング戦略の立て方の5ステップのうち、最初の「市場環境分析」に活用できるフレームワークです。
STP分析は、市場の切り分けやアプローチするターゲット層、市場での自社の立ち位置などを決めていくフレームワークです。STPとは、以下の頭文字をそれぞれ取ったものとなります。
まず市場を細分化し、ターゲットを決めた後に自社の立ち位置を決める流れです。前述したマーケティング戦略の立て方の5ステップのなかの、2と3の手順で有用といえます。
4P分析は、マーケティングの具体的な施策を検討するための分析です。
以下の4つのPの観点から、自社商品について検討していきます。
どのような製品をいくらで販売したらよいのか、またどのように商品やサービスを届け、販促活動したらよいのかを分析します。
4P分析は、前述したマーケティング戦略の立て方の5ステップのうち、4番目のステップで活用します。
マーケティング戦略を成功に導くポイントは以下のとおりです。
上手に活用すれば、マーケティング戦略に大きな効果が期待できるでしょう。
マーケティング戦略を検討する際のリサーチにおいては、一次情報を活用することが重要です。
二次情報には第三者の編集が入っているため、発信者の思惑やバイアスが反映されている危険性があります。そういった情報をもとに戦略を立てると、方向性を誤り、その後のマーケティング施策が無駄になってしまう危険性があります。
一次情報を集める有効な方法は、顧客の生の声をインタビューやアンケートで集めることです。国や自治体、シンクタンクなど信頼できる機関が開示した調査データによって市場動向をおさえるのもよいでしょう。
上流部分の戦略での差別化だけでなく、戦術部分であるプロモーションにおいて差別化を意識する必要があります。戦略の基本理論が確立されたころよりも、現代の市場は飽和しており、上流部分だけで差別化を検討するのは難しくなっているからです。
またスマートフォンの普及やWeb広告の進化によって、より精度の高いプロモーションができるようになってきています。プロモーションの差別化がマーケティングの成否に直結する時代になったといえるでしょう。
プロモーションの差別化を検討するなら、タレントを起用するのも一つの手です。ただし、タレントの広告起用はコストが高くなりがちです。
コストを抑えてタレントを起用したいなら、タレントの写真素材が定額料金で使用できるタレントサブスクがおすすめです。
タレントサブスクについてはこちらの記事をご覧ください。
マーケティング戦略の成功事例は以下のとおりです。
引用:株式会社Mizkan「金のつぶ パキッ!とたれ におわなっとう3P」
Copyright©2024MizkanHoldingsCo.Ltd.
株式会社Mizkanは、差別化戦略によって納豆市場でのシェア獲得に成功しています。納豆市場はタカノフーズ(おかめ納豆)が国内トップシェアで、それに次ぐポジションを狙っていく必要がありました。
納豆という差別化しにくい商品で販売拡大するために、顧客ニーズをあらためて調査し、「納豆は好きだが臭いが気になる」という、潜在的に納豆を食べたいと感じているが購入につながっていない層を発見します。
この層をターゲットに発売したのが、納豆独特の臭いを抑えた「金のつぶ・におわなっとう」です。醸造メーカーの強みである発酵技術と、臭いさえなければ納豆を食べたいというニーズをマッチさせ販売数を伸ばしました。
他にも、2007年にはたれが簡単に取り出せる「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」を発売しています。2000年に発売された骨を丈夫にする健康効果をもった「ほね元気」は、特定保健用食品の認可を受けた納豆です。
このように顧客のニーズに寄り添った商品を続々と販売したことで、参入から20年程度で納豆市場のシェア2位の地位を得ています。
参照:株式会社SiNCE「ミツカンは差別化戦略で納豆業界2位の座をキープ」
引用:ライフネット生命保険株式会社「ライフネットの生命保険マニフェスト」
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ライフネット生命保険株式会社は、オンライン生保市場の拡大を狙ったマーケティングに成功しています。
これまで保険業界では以下の問題点がありました。
これらの点をふまえて、「将来に不安はあるが保険料は高いと感じている若年層」をターゲットとしてマーケティング戦略を検討しています。
保険料を安くするために、販売員や代理店での営業ではなくオンラインでの集客面に注目。不明点は自分で確認できるようにWeb上のコンテンツを充実させ、申し込み手続きもオンラインでかんたんに完結できるようにしました。
その結果、20代〜40代の若年層の取り込みに成功し、2023年12月末には、保有契約件数59万件を突破しています。
参照:ライフネット生命保険株式会社「当社の強み」
参照:ライフネット生命保険株式会社「保有契約件数」
マーケティング戦略は、自社の商品やサービスの価値を顧客にどのように提供するか計画することです。
市場に勝ち残るには、競合と差別化し効率的かつ最大限の成果をあげるための施策が必要です。その仕組み構築のために、市場分析やターゲティングなどのプロセスがあります。
現代のマーケティングにおいては、戦略だけでなくプロモーションの重要性が高まってきています。その手法はさまざまなので、複数の施策を掛け合わせることで、より大きな効果を発揮するでしょう。
IPにまつわる知識・ニュースを随時発信しています。