「Instagramに使う音楽の著作権が心配」「Instagram上で音楽を使って著作権を侵害したらどうなる?」「Instagram上で安全に音楽を使う方法が知りたい」
Instagram上での音楽使用について、上記のような疑問はないでしょうか。著作権を侵害するとInstagram上のペナルティだけでなく法的な罰則を追う危険性もあります。
本記事では、Instagram上での音楽利用における著作権について、要点を詳しく解説します。著作権侵害で訴えられる可能性のあるケースや、安全に音楽を利用する方法も紹介します。
この記事を読むことで、Instagram上での音楽の安全な利用方法がわかりますので、ぜひ参考にしてください。
Instagramに音楽をつけて投稿する際は著作権を侵害しないよう注意しなければなりません。
利用規約やコミュニティガイドラインでは、投稿できるコンテンツは第三者の知的財産権(著作権)を侵害しないものと定めています。
Instagramを運営するMeta社は、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)と利用許諾契約を結んでいます。
そのため、Instagramのミュージックライブラリに登録されている音楽を使用する場合、ユーザーが個別に利用許諾を得ずに音楽を利用可能です。
ミュージックライブラリ以外の音楽を使用する場合、必ず著作権者の許諾を得なければなりません。許諾なく使用した場合、著作権侵害となる可能性があります。
参照:Meta「利用規約 | Instagramヘルプセンター(Instagram)」
参照:Meta「コミュニティガイドライン | Instagramヘルプセンター(Instagram)」
参照:Meta「著作権 | Instagramヘルプセンター」
参照:JASRAC「YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用」
なお、著作権についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Instagram上で著作権を侵害せずに音楽を利用するには、以下の2つの方法があります。
Instagramのミュージックライブラリ内の音楽であれば、著作権を侵害せずに音楽を利用できます。
Instagramは、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)と利用許諾契約を結んでいるため、ミュージックライブラリにある音楽の利用は著作権の侵害とはなりません。
ストーリーズなどの投稿に音楽を貼りつけるミュージックスタンプ機能を使うことで、ミュージックライブラリにある音楽を簡単に追加できます。
参照:Meta「Copyright | Instagram Help Center(Instagram)」
参照:JASRAC「YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用」
著作権フリーの音楽であれば、著作権を侵害せずにInstagram上で音楽を利用できます。
著作権フリーの音楽は、著作権が消滅している、または著作権者がその権利を放棄しているため、自由に利用可能です。ユーザーは安心して音楽を利用できます。ただし、著作権が消滅・放棄されているかは、個別に確認が必要です。
著作権フリーかどうかを確認する方法の一つとして「JASRAC作品検索J-WID」で調べることが挙げられます。著作権が消滅した音楽には「消滅」「PD」と表記されているため確認してみましょう。
Instagramの動画に含まれる音楽が著作権侵害になるケースは、主に以下の3つです。
Instagramのミュージックライブラリ以外の音楽を使用すると、著作権侵害のリスクがあります。InstagramがJASRACと結んでいる利用許諾契約がミュージックライブラリの音楽に限定されているためです。
たとえば、個人的に所有している音楽や、他のストリーミングサービスから取得した音楽を使用すると、その音楽に対する著作権者の許可を得ていないため、著作権侵害となる可能性があります。
ミュージックライブラリ以外の音楽を使用する場合は、著作権を侵害しないよう著作権者を確認し、必要に応じて使用許諾を取得しましょう。
参照: Meta「Copyright | Instagram Help Center(Instagram)」
意図せず店内やイベントで流れていた音楽が動画に含まれると、著作権侵害のリスクがあります。
たとえば、カフェやレストラン、コンサートやイベント会場などで撮影した際に、店内やイベントで流れている音楽が入り込むケースです。許諾を得ていない使用となるため、著作権侵害となるリスクがあります。
このような場合、動画編集ソフトを使用して問題のある音声を削除するか、著作権フリーの音楽に差し替える必要があるでしょう。
参照: Meta「Copyright | Instagram Help Center(Instagram)」
Instagramから書き出した動画を他のプラットフォームで利用すると、著作権侵害となる可能性があるので注意が必要です。ミュージックライブラリの音楽の使用許諾は、Instagram内に限られているからです。
他のプラットフォームで利用する場合は、使用する音楽に対する個別の利用許諾を得る必要があります。
許諾を得ないまま他のプラットフォームで音楽付きの動画を共有すると、著作権者から訴訟を起こされるリスクがあるため注意が必要です。
参照: Meta「著作権 | Instagramヘルプセンター(Instagram)」
Instagram上の音楽で著作権を侵害した場合には、以下の2つの観点から罰則を与えられます。
Instagramで音楽の著作権を侵害した場合、Instagram上では以下のような罰則が与えられます。
Instagramの利用規約およびコミュニティガイドラインに従って、著作権を侵害するコンテンツが発見された場合、そのコンテンツは削除されます。
さらに、繰り返し著作権侵害行為や重大な違反があった場合には、アカウントが停止されることもあるので注意が必要です。
ただし誤ってこれらのペナルティが科されてしまった場合、ユーザーはコンテンツの削除やアカウントの停止に対して異議申し立てができます。
異議申し立てを行っても、著作権侵害と認められた場合、コンテンツやアカウントは回復できません。
参照:Meta「利用規約 | Instagramヘルプセンター」
参照:Meta「コミュニティガイドライン | Instagramヘルプセンター」
Instagram上の音楽で著作権を侵害した場合、法律上では以下のような罰則が与えられます。
民事 | 侵害行為の差止請求 | |
---|---|---|
損害賠償請求 | ||
名誉回復措置 | ||
刑事 | 著作権侵害 | 10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金またはその併科 |
著作者人格権侵害 | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金またはその併科 |
民事上では、侵害行為の差止請求として著作権を侵害している投稿の削除などが求められます。侵害により著作権者が被った金銭的損害を請求されることもあるでしょう。また名誉回復措置として謝罪文の掲載を求められることもあります。
刑事上では、著作権侵害と著作者人格権侵害のそれぞれで罰則が定められています。重い罰則を受けることのないよう、著作権・著作者人格権の侵害には十分に注意しましょう。
参照:e-Gov法令検索「著作権法」
参照:e-Gov法令検索「民法」
Instagram(インスタグラム)に音楽を利用する際の著作権上の注意点は以下の2つです。
Instagramに音楽を利用する際は、音楽の再生が主目的となる投稿をしないよう注意しましょう。音楽の再生が主目的になるとガイドライン違反となるためです。
Instagramのガイドラインでは、動画に必ず視覚的な要素を含めることが定められています。つまり、音楽だけを再生することを主目的とした動画の作成は禁止です。
音楽の再生が主目的であるとみなされる例として、海外のヒットメドレーが関連のない画像と一緒に流れているような投稿などが挙げられます。このような投稿は違反の罰則をうけるおそれがあるため、避けましょう。
Instagramは画像をはじめとした視覚的なコンテンツを共有するSNSです。本来の使い方に沿う投稿をすることで、著作権侵害にあたらないようにしましょう。
参照: Meta「Instagramの動画で音楽を使用する方法」
商用利用する際は、ミュージックライブラリにおける一部の楽曲の利用が制限される点にも注意が必要です。
Instagramのビジネスアカウントには個人アカウントと異なる制限が設けられており、一部の音楽が利用できない場合があります。
音楽の商用利用が、個人利用とは異なる取り扱いを受けるためです。たとえば、企業がプロモーション動画や商品紹介動画などで音楽を使用する場合が該当します。
さらに、商用利用には別途許諾が必要になることがあります。これは、音楽の著作権者や管理団体が、商業目的での使用に対して特別な許可を求めることが一般的だからです。
商用目的で音楽を使用する際には、事前に著作権者からの許諾を得るか、商用利用が許可されているロイヤリティフリーの音楽を使用するのがおすすめです。
参照: Meta「Instagramのライセンス音楽ライブラリの利用」
Instagram(インスタグラム)で著作権侵害の通知がきたときの対処法は以下のとおりです。
Instagramからの通知を確認して、どのコンテンツに著作権侵害の可能性があるのかを確認します。
Instagramには通報機能があり、ユーザーが著作権侵害の疑いがある投稿を報告できます。報告を受けると、Instagramが調査を行い、当該コンテンツに著作権侵害がないか確認します。
通知内容には、具体的にどのコンテンツが問題となっているか、どの部分が著作権を侵害しているかについての詳細が記載されています。これを確認することで、次に取るべきアクションが明確になります。
原因を特定したら、著作権侵害の疑いがある投稿について削除または編集の対応をします。
著作権に関する通知を放置していると、投稿が強制的に削除される、アカウントが停止されるなどのペナルティが科されます。通知を受け取ったら、できるだけ速やかに該当する投稿を削除または編集して、著作物の権利を尊重することが重要です。
たとえば、動画内で使用していた音楽が著作物の権利を侵害している場合、その音楽を削除するか著作権フリーの音楽に差し替えるなどの対応が必要です。
また、画像や動画そのものに著作権侵害の要素が含まれている場合は、該当部分を編集して削除しましょう。
著作権の侵害について心あたりがなければ、Meta社に対して異議申し立てができます。Instagram側が誤ってコンテンツを削除するケースもあるからです。
著作権に関する通知やコンテンツ削除の理由が記載された通知の末尾にある「審査をリクエスト」から異議申し立てができます。これにより再調査を要求できるので、誤解が解ける可能性があります。
異議申し立てを行う際には、詳細な説明や関連する証拠を提供することが必要です。たとえば、音楽の使用許諾証明書や使用元の素材サイトの規約などを提出するとよいでしょう。
またコンテンツが教育的な目的で使用されている場合や、フェアユースの範囲内であることを主張する場合もあります。
Instagramに音楽を利用する際は、著作権を守ることが大切です。許諾済みのミュージックライブラリの音楽を使えば安心ですが、著作権フリーの音楽も活用できます。
撮影時に店内やイベントで流れている音楽が入らないよう注意し、Instagramの音楽付きコンテンツを他のサービスで利用しないようにしましょう。
著作権侵害が発生すると、コンテンツ削除やアカウント停止、さらには法律による罰則を受ける可能性があります。これらのポイントを守って、安全にコンテンツを作成・共有しましょう。
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