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「マーケティングにおけるエンゲージメントとは?」「マーケティングでなぜエンゲージメントが重要なのか?」「マーケティングにおいてエンゲージメントを高める方法は?」
このようにお考えではありませんか。
マーケティングにおけるエンゲージメントとは、顧客と企業の強い結びつきのことです。顧客の購買プロセスが多様化している昨今、企業は顧客との継続的な関係性を築くことが重要視されています。
本記事では、マーケティングにおけるエンゲージメントの重要性や具体的な施策について解説します。エンゲージメントマーケティングを積極的に取り入れたいと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
顧客のエンゲージメントを高める施策の一つとして、ターゲット層に合ったタレントの起用も効果的です。顧客の印象に残りやすく、自社の商品やサービスを覚えてもらいやすくなります。
タレントの起用は費用が高額になりがちですが、定額でタレントの素材を利用できるタレントサブスクを活用することで費用を抑えた起用が可能です。
マーケティングにおけるエンゲージメントとは、「関与度」「愛着」「つながり」などを意味し、顧客と企業の強い結びつきを表します。
その認知度は、FacebookやXなどのSNSの普及とともに広まりました。SNSの投稿への「いいね」などの反応から、エンゲージメントが可視化しやすくなったためです。
顧客の意欲的な行動は、マーケティングにおおいに活かせます。WebサイトやSNSなどを通じ顧客とのつながりを持ち、自社商品に反映することで顧客満足度を高められるのです。
エンゲージメントが高い顧客は、SNSなどを通して商品やサービスをおすすめしてくれたり、建設的な意見を提供してくれたりするケースもあります。
結果として、企業の売上向上につながるでしょう。顧客のエンゲージメントを高めるマーケティングを、エンゲージメントマーケティングと呼びます。
エンゲージメントマーケティングが重要な理由は、以下の3つです。
顧客の購買プロセスが多様化しているため、顧客との深い関わりを強めるエンゲージメントマーケティングが重要です。
インターネットやスマートフォンの普及により、オンライン上で買い物ができる時代になりました。顧客は、店舗に行かずともさまざまな商品やサービスを比較できるようになったのです。
商品やサービスを選ぶ際、選択肢の幅が大きく広がったといえるでしょう。つまり、企業は顧客に選ばれなければいけません。
そのため、多くの選択肢から選ばれるための要素としてエンゲージメントが重要視されます。顧客が自社や自社の商品・サービスに愛着を持つことで、ほかの選択肢にとらわれず選ばれやすくなるでしょう。
エンゲージメントマーケティングが重要な理由として、顧客との継続的な関係性の強化が必要である点も挙げられます。1回きりの売上ではなく、顧客生涯価値(LTV)の向上が重要であるためです。
顧客生涯価値とは、顧客が自社との取り引き開始から終了までの間に、企業にもたらす総額を指す指標です。一般的に、顧客ロイヤリティが高いほど、一人の顧客がもたらす顧客生涯価値が高くなるといわれています。
顧客が1度自社商品を選んでくれたとしても、その先も選び続けてくれる確証はありません。顧客生涯価値を向上させるためには、リピート購入や自社の他の商品やサービスの購入を促す必要があります。
そのためには、自社のファンになってもらうことが有効でしょう。つまり、顧客のエンゲージメントを高める意識をもつことが重要といえます。
顧客の情報発信力が強力にな ったことも、エンゲージメントマーケティングが重要視される理由の一つです。
SNSや口コミサイトを通して、誰でも簡単に情報を発信できる時代になりました。顧客が発信した情報は、他の顧客が商品やサービスを選択する基準となり、購買行動に大きな影響を与えているのです。
そのため、購入後の顧客の行動や評価まで考慮しなければいけません。つまり、「売れればよい」では通用しなくなっているのです。
購入後も顧客との良好な関係性を維持し、愛着を持ってもらうことが重要です。企業への好意的な口コミが増えることで、新規顧客獲得につながる可能性が高まると考えられます。
マーケティングによりエンゲージメントを高める施策は以下のとおりです。
エンゲージメントを高める施策として、顧客との接点となる媒体を増やすことが挙げられます。そもそも顧客との接点がなければ、エンゲージメントを向上できません。
顧客との接点となる媒体の具体例は以下のとおりです。
媒体 | 特徴 |
---|---|
SNS | ・顧客と直接コミュニケーションをとれる ・「いいね!」やコメントでエンゲージメントを可視化できる |
動画配信サービス | ・顧客に商品やサービスのコンセプトが伝わりやすい ・リアルタイムでの発信もできるため顧客とコミュニケーションを取りやすい |
オウンドメディア | ・潜在顧客の興味や関心など、ニーズから接点を持ち情報を提供できる |
公式アプリ | ・ポイントシステムやクーポン機能で継続的な利用を促せる |
メールマガジン | ・パーソナライズされた情報を送信できる |
エンゲージメント向上のために、カスタマージャーニーマップの作成が重要です。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入するまでの行動プロセスと思考を時系列にまとめたものを指します。
カスタマージャーニーマップを作成することで、接点ごとの顧客の課題や心理が明確になり、施策を検討しやすくなります。
また、チーム全体が販売戦略や課題に対する共通認識を持てるでしょう。そのため、認知から購入までの流れで一貫性のあるサービスの提供が可能となります。
顧客の購買行動の流れを示すマーケティングファネルについては、以下の記事で解説しています。
マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用することでエンゲージメント向上を図れます。マーケティングオートメーションツールとは、見込み顧客の情報を一元管理できるツールのことです。
顧客の行動に点数をつける機能(スコアリング機能)があり、エンゲージメントを数値化して把握できます。顧客の関心の高さごとに配信するメールを分けるなど効果的にアプローチして、エンゲージメントを高められるでしょう。
エンゲージメントを高める施策を行ううえで、顧客体験の向上を目指すことが重要です。顧客が自社の商品やサービスを利用して満足度が高ければ、好感を持ち「また利用したい」「周囲に薦めたい」と考えるためです。
自社が提供する価値と顧客ニーズをあらためて深掘りすることで、顧客体験を向上させられるでしょう。
具体的には以下のような取り組みが挙げられます。
すべての接点において顧客体験を高めることで、エンゲージメントの向上が期待できます。
ターゲット層が好むタレントの起用も、エンゲージメントを高める一つの手段として効果的です。
企業のイメージに合ったタレントを起用すると、顧客の印象に残り、自社の商品やサービスを覚えてもらいやすくなります。顧客の購買意欲もプラスに働き、集客やコンバージョンも期待できるでしょう。
タレントの起用は高額な費用が懸念点ですが、タレントサブスクを利用すれば、費用を抑えてタレントの起用が可能です。タレントサブスクとは、定額料金でタレントの広告素材を活用できるサービスです。
タレントサブスクについて、くわしくはこちらの記事をご参照ください。
マーケティングにおけるエンゲージメント率の測定方法は以下の2つです。
Webアンケートは、エンゲージメント率測定のためによく活用されている手法です。顧客が、企業の商品やサービスにどれほど愛着があるかどうかを測定します。なかでも精度の高い「NPS(ネットプロモータースコア)」が幅広く活用されています。
具体的には、「あなたはこの商品を家族や友人に紹介したいですか?」などの設問に対し、0~10段階で評価してもらうというもの。回答に基づき「推奨者」「中立者」「批判者」に分類し、顧客との関係度合いを測定できる仕組みです。
NPSでは、「推奨者の割合」がエンゲージメント率として考えられます。計算方法は「推奨者数÷回答者数 × 100」です。
なお、NPSは、「推奨者の割合」から「批判者の割合」を引くことで算出できます。NPSの数字が高いほど、エンゲージメントが高いと判断できます。
SNSによるエンゲージメント率の測定は、自社の投稿に対してどれほどの反応があったのかどうかで測定します。
エンゲージメント率の計算方法は、「投稿に反応したユーザー数 ÷ 投稿を見たユーザー数(フォロワー数など) × 100」です。
SNSによって投稿への反応の指標が変わります。例として、Xにおける指標は以下のとおりです。
SNSにおけるエンゲージメント率は、あくまで反応を指標としています。質が考慮されていないため、エンゲージメント率が高いからといってポジティブな結びつきとは限りません。
つまり、SNSで批判が殺到して収拾がつかなくなる状態である「炎上」が発生した場合でも、数値上では高いエンゲージメント率を示します。そのため、数値だけにとらわれず、顧客がどのような反応だったのかどうか深く掘り下げて考えることが重要です。
なお、市場における自社の認知度を把握するための実施方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
エンゲージメントマーケティングの成功事例として、以下3つを紹介します。
スターバックスは、従業員のエンゲージメントを高めた結果、顧客のエンゲージメントも高めることに成功しています。
コーヒーの味や雰囲気にこだわるだけではなく、従業員を「パートナー」と呼び、顧客と同様に大切な存在として認識していることが特徴です。
引用:スターバックス コーヒー ジャパン「店舗パートナー_求める人物像」
© 2024 Starbucks Coffee Company. All rights reserved.
従業員をパートナーと呼び価値観を共有するのは、顧客が求めているものを追求し、店舗でのサービスに反映するためです。
具体的には、顧客は「サードプレイス(第三の場所)」を求めていると考え、リラックスできる居場所やそこで過ごす体験を提供しています。従業員はスターバックスが提供する価値を理解し、接客に反映させています。
たとえば、ドリンクカップに顧客に向けたメッセージを書いて渡すのは、従業員による自発的なサービスです。顧客から好意的に受け止められれば、SNSでの発信につながります。
店の雰囲気や従業員の接客によってファンを作り、リピーターを増やしています。
日本航空は、SNSを効果的に活用することで顧客のエンゲージメントを高めています。飛行機を毎日利用する顧客は少ないため、日本航空の課題は「顧客との接点の持ち方」でした。
そこで日本航空は、2011年にJAL公式のFacebookを開始します。
引用:Facebook「ANA.Japan」
Meta © 2024
具体的には以下のような取り組みを実施しました。
これまでの「堅いイメージ」を払拭し、顧客にとって身近な企業であることをアピールしています。さらに顧客の声をヒアリングし取り入れることで、商品展開やサービス改善につなげました。
ベースフードは、ミッションを明確にして一体感が生まれる機会を多く設けることで、エンゲージメント向上に成功しました。
ベースフードは完全栄養食「BASE FOOD」を提供しています。「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」という明確なミッションをもち、共感してくれたメディア、アスリート、シェフにSNSなどを通じて広めてもらうことで購入者を増やしたのです。
引用:BASE FOOD「会社概要」
© BASE FOOD, Inc.
定期購入者のインタビューをニュースレターやオウンドメディアに掲載したり、Xを活用したイベントを実施したりすることで顧客のエンゲージメント向上を図りました。
参照:HEALTH MAGAZINE「インタビュー」
エンゲージメントマーケティングは、企業が長期的に成長していくために欠かせないマーケティングの一つです。
顧客のエンゲージメントを高めるためには、顧客とつながるだけではなく、顧客の行動や不満も含めた思考を網羅的に俯瞰しなければいけません。積極的にエンゲージマーケティングを取り入れ、企業の成長につなげましょう。
IPにまつわる知識・ニュースを随時発信しています。