JAEJOONG(ジェジュン)×XIA(ジュンス)「JX 2024 CONCERT <IDENTITY> 」の魅力解剖
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2024.12.17

JAEJOONG(ジェジュン)×XIA(ジュンス)「JX 2024 CONCERT <IDENTITY> 」の魅力解剖

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昨今のK-POPブームの火付け役ともいえる伝説のアーティスト、JAEJOONG(ジェジュン)と XIA(ジュンス)のデビュー20周年を記念して2024年12月14日(土)・15日(日)に開催された「JX 2024 CONCERT <IDENTITY> in Japan」。

昔から応援しているファンも、新たにファンになった方も、老若男女さまざま集ったライブに参戦した(DAY2)記者が、できる限りその魅力を細かくレポートいたします。

「JX 2024 CONCERT <IDENTITY> in Japan」概要

2003年にデビューしたJAEJOONG(ジェジュン)とXIA(ジュンス)。グループ活動での華々しい功績はもちろん、それぞれソロアーティストとしての活躍も、いうまでもなく日韓ともによく知られていることでしょう。

今年2024年に、ふたりのデビュー20周年を記念して初めての合同公演開催が発表されると、SNSを中心に大騒然。日本に先駆けてソウル松坡(ソンパ)区オリンピック公園KSPO DOME(旧体操競技場)にて行われた「JX 2024 CONCERT <IDENTITY> in Seoul」のチケットは即完売となりました。

そして12月、日本でもその大注目のライブが行われたのです。会場となったベルーナドームは外気に触れる構造上、極寒ながらファンたちの熱気で心も体もホットになる2日間でした。

筆者が訪れたDAY2は最終日ということもあり、JAEJOONGもXIAも衣装をかたっぱしから会場に投げてサプライズプレゼントするというサービスっぷり。

また12月15日(日)当日がXIAの誕生日ということで、全員でバースデーソングを歌ってお祝いする場面もあり、ほっこりあたたまる演出が魅力的でした。

開催発表時の情報はこちらの記事にくわしく記載しているので、ぜひご覧ください。JXふたりによるメッセージ動画も掲載しています。

デビュー初期の楽曲からソロ曲まで多様なセトリ

まずは2005年に韓国で、2007年に日本でもライセンス盤が発売されたアルバム『Rising Sun』のリードトラック「Rising Sun」からスタート。始まる前からファンの期待は高まっていたので、この時点ですでに大盛り上がりです。

ハイトーンの伸びやかな美声を響かせるJAEJOONGに、ハスキーで細かいビブラートを利かせたXIAの表現力。相性はいうまでもないですが、個々の魅力も充分なのに、さらに高みを見せてくれるパフォーマンス力には、これまでの彼らのキャリアの幅の広さを感じさせます。

告知の動画でXIAがみどころにあげていたように(上記記事参照)、歌だけでなくダンスでも魅了してくれるのが今公演の魅力。ふたりの力強い歌声とシンクロパフォーマンスにいやが上にもボルテージは高まりつづけます。

そして注目すべきは、やはり今のふたりが歌うデビュー初期の楽曲ではないでしょうか。デビュー曲の「HUG」(2004年)や初期の活動を彩った「The Way U Are」(2004年)、「風船(Balloons)」(2006年)など、時を超えて披露された楽曲には変わらない魅力と、今だから体感できる奥行きのある表現力のどちらも感じることができます。

またもちろんJAEJOONG、XIAそれぞれのソロ曲もパフォーマンスされました。XIA初のソロアルバム『Tarantallegra』(2012年)の表題曲やJAEJOONGのライブ鉄板曲「Summer J」など。

くわえて「どうして君を好きになってしまったんだろう?」(2008年)、「明日は来るから」(2006年)といった日本語楽曲もリストイン。さらにはJYJ時代のヒット曲「Empty」(2010年)も聞くことができました。

でも豪華なセットリストだけでファンを楽しませるふたりではありません。衣装を変えるタイミングでは「忘れないで」(2009年)のメロディーが流れるとともにモニターに歌詞が映し出され、ファンに歌唱を促します。

以前のJAEJOONGのライブ「20TH ANNIVERSARY 2024 KIM JAE JOONG ASIA TOUR CONCERT “FLOWER GARDEN” in JAPAN」でもファンにマイクを渡して歌ってもらう場面がありましたが(くわしくは下記のレポート記事をご参照ください)、やはり会場みんなで一緒に参加して体験できるというのが特長のひとつなのです。

ふたりとも制服姿で再登場すると「みんなの歌声が素晴らしくて出てきちゃったよ」とお茶目にスマイル。でも実はXIAは、活動初期の楽曲は歌詞を忘れているものも多いのだとか。

先日飲食店に行ったらちょうど「忘れないで」が流れていて、たしかに自分が歌っているはずなのに覚えていなかったと告白してくれました。これだけ多くの楽曲を歌っていると無理もないことかと思いますが、それに対しJAEJOONGがすかさず「忘れないで!」と曲名でツッコミ。コンビネーションがよすぎます。

XIAの誕生日をサプライズで祝福

DAY2ということで、MCでは前日との違いについても話していました。まず大きな違いとしては音響を変えたということ。ベルーナドームは「ドーム」という名前ですが外壁がないため、音の反響がやや特殊です。

DAY1をふまえて2日目にすぐ改善できるのは、さすがプロのアーティスト。しかもJAEJOONGが「昨日も来てくれた人ー?」と呼びかけると、多くのファンがその手のペンライトを掲げていたので、2日連続で訪れた方も多かったはず。おそらく音の響き方の違いが感じられたのではないでしょうか?

またXIAは、自身について「日本語が下手になった」と告白。DAY1では思うように言葉が出てこない場面もあったそうですが、DAY2で感覚を取り戻し、「昨日より話せるようになった」と笑顔を見せてくれました。

それを受けてJAEJOONGが「昨日も話せていたよ」とフォローしつつ、DAY2のほうがうまいと賛同すると、今度は一変して「昨日は下手なふりをしていただけだよ」とXIA。

思わず会場に笑い声があふれると、日本のバラエティ番組でも活躍するほど堪能なJAEJOONGもわざとカタコト風にトークしてみせます。

日本のファンはきっと、一生懸命自分の言葉で伝えようとしてくれることがうれしいと思うので、流暢でもそうでなくても変わらず好きだとは思いますが、それをこんなふうにユーモアを交えて話してくれるふたりがかわいらしいです。

さて、そんなXIAは先述のとおりこの日が誕生日!自ら「誕生日なんだけど」と切り出すと、JAEJOONGは「そんなことよりファンのみんなと過ごすライブが大事」とちょっと意地悪。

かと思いきや、実はライブ中にサプライズでお祝いするために誕生日について触れないように気をつけていたのだとか。バックダンサーにも緘口令を敷いていたそうで、慌ててステージに全員呼んだうえで、ファンも一緒に全員でバースデーソングを熱唱。

ライブ会場でみんなにお祝いしてもらえたことがなによりのプレゼントだと言うXIAも、喜ばせるためにサプライズを計画していたJAEJOONGも、互いを思い合う気持ちが素敵です。

もしかしたらまたJXの活動もある……?

ライブ終盤、極寒のなかおもむろにジャケットを脱ぐJAEJOONG。いたってカジュアルにそのまま会場席に投げてファンへプレゼントしていました。そして「全部あげたいよ」と言って、ネクタイやチェーンベルト(金属のチェーンベルトは受け取る方が怪我しないように配慮するのも忘れずに)も大盤振る舞い。

あわや中に着ていたシャツまで脱ぎかけていましたが、「夏だったらあげるんだけど」と言って最後の一線は超えずにステイ。その様子を見てXIAも「裏でスタイリストが泣いているかもしれないけど……」とスタッフに気づかいながら、やはりジャケット、ネクタイ、コサージュをファンへプレゼント。

サービス精神旺盛なふたりに観客はもちろん大歓声。会場全体がひとつになったように大きな声がとどろきました。そしてここで発覚したのは、JAEJOONGがシャツの背中にカイロを貼っていたこと。

XIAが見つけるなり「ずるいよ」と繰り返し言っていて、かわいらしいふたりのやりとりに笑みがこぼれてしまいました。JAEJOONG曰くシャツに貼ってあることを知らなかったそうで、「会場に背を向けたときにすごく背中が熱く感じて、ファンのみんなの熱意がそうさせているんだと思った」とのこと。どこまでもお茶目です。(ちなみにその後XIAが観客に投げてプレゼントしていました)

最後のMCでは、セットリストについて言及。「ほかにも歌いたい曲がたくさんあった」と、「Forever Love」(2007年)や「TAXI」(2009年)など具体的な曲名を挙げ、「10秒ずつだったらメドレーで歌えるんじゃない?」とJAEJOONGが提案すると、XIAが実際にアカペラで歌ってみせ、そのあまりにも軽く歌い出した様子なのにばっちり会場中にしみわたらせられる声量にファンはまた大歓声をあげます。

そして聞き逃せない「またふたりでやりたい」という発言。予定はまったく決まっていないそうなので、どうなるかはわかりませんが、ふたりが望めばファンは必ずついてくると思うので、つい期待したくなってしまいます。

これからも歴史を作りつづけるふたりに最大級のリスペクトを送りながら、それぞれの今後も楽しみに、しばらくは今公演の余韻に浸っていたいと思うのでした。

写真はDAY1の12月14日(土)のものです。
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この記事を書いたライター

浦田みなみ
浦田みなみIP mag編集長

東京生まれ、渋谷ラバー。2011年小説『空のつくりかた』刊行。その後アパレル企業のコピーライティングをしたり、webメディアを立ち上げたり。最近の悩みは、趣味が多すぎてなにも極められないこと。でもそんな自分が好きです。

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