PRとは何か？広告との違いから具体的なPR方法と成功のコツを解説

PRとは？意味や何の略かを簡単に解説

PRとは何を意味するかについて、以下の観点で解説します。

• 「PR」は「パブリックリレーションズ」の略称
• 「マーケティングの4P」の一つ

「PR」は「パブリックリレーションズ」の略称

PRとは、組織や企業が公衆との関係をどのように築き、維持していくかを示す重要な概念です。

PRは「Public Relations」の略称であり、その範囲と重要性は極めて広範にわたります。この言葉はさまざまな団体によって異なる方法で定義されています。

たとえば、日本パブリックリレーションズ協会におけるPRの定義は以下のとおりです。

“パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。”

引用：日本パブリックリレーションズ協会「パブリックリレーションズとは - 公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会」

また、アメリカPR協会（PRSA）におけるPRの定義は以下のとおりです。

“Public relations is a strategic communication process that builds mutually beneficial relationships between organizations and their publics.（広報活動は、組織とその一般大衆との間に相互に有益な関係を構築する戦略的なコミュニケーションプロセスです。）”

引用：Public Relations Society of America「About Public Relations | PRSA 」（和訳はGoogle翻訳によるもの）

上記の定義は、PRが単に情報の伝達にとどまらず、組織と公衆との相互理解や利益を追求するプロセスであることを示しています。

「マーケティングの4P」の一つ

PRは、「プロモーション」という意味で使用されることもありますが、本来は「広報」という意味が正しいです。ただ、慣例的に日本国内では宣伝的な文脈で使われることが多いです。

プロモーション（Promotion）は、1960年にアメリカのマーケティング学者E.J.マッカーシーによって提唱された「マーケティングの4P」というフレームワークにもとづいて考えられています。

この4Pとは次の4つの活動の頭文字を取ったものです。

• Product（製品）
• Price（価格）
• Promotion（プロモーション）
• Place（流通≒チャネル）

Promotionは、ターゲット市場に製品やサービスの存在、特徴、魅力をどのように知らせるかに焦点を当てています。頭文字を取ればPRといえるのも、混同して覚えられている理由かもしれません。

Instagram上などのインフルエンサーの投稿に、#PRといったハッシュタグが記載されているのを見かけることも多いのではないでしょうか。実際、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会では、広告表記の一つとして「PR」の使用を推奨しています。

参照：一般社団法人日本インタラクティブ広告協会「ネイティブ広告に関する推奨規定 」

このようにプロモーションにおいてもPRという言葉が使われるケースは増えてきています。

なお、2023年10月1日の景品表示法の改正により、いわゆるこういった「案件投稿」などにはPRの表記が義務付けられています。

景品表示法の概要や改正内容はこちらの記事をお読みください。

PRと広報・広告・ブランディングの違い

PRと広報・広告・ブランディングの違いを以下の流れで解説します。

• PRと広報の違い
• PRと広告の違い
• PRとブランディングの違い

PRと広報の違い

PRと広報の違いは目的です。

PRは「パブリックリレーションズ」の略で、「広報」と「広聴」を通じて、社会全体やステークホルダーとの長期的な関係性を構築します。

PRの本質は一方的な情報発信ではなく相手と良好な関係を築くことです。

このため、PRは戦略的コミュニケーションのプロセスとして捉えられ、対話と理解を促進するための活動を含みます。

一方、広報は、情報発信を通じて組織や企業の認知度を向上させる役割を担います。

広報活動はPRに内包されている概念であり、主に組織から社会や消費者に対して一方向的な情報を提供することが中心です。

PRと広告の違い

PRと広告の違いは、以下のとおりです。

PRは社会との長期的な信頼関係の構築を目指します。対象は、企業や商品、サービスに関わるさまざまな人々（消費者、従業員、採用候補者、メディアなど）におよびます。

PR活動では、メディアを通じて情報が自然に拡散されることが多く、通常、無料で行われることが一般的です。

一方、広告は商品やサービスの購入を促進することを主な目的としています。広告の対象は主に消費者であり、企業はメディアへの掲載枠を購入し、自社の宣伝を行います。

広告は直接的であり、企業が完全にコントロールできる有料の情報発信手段です。

ただし、国内においてはPR＝広告という認識もあるため注意が必要です。

以下の記事ではPRと広告の違いについてより詳しく解説しています。

PRとブランディングの違い

PRとブランディングの違いは、重きを置くポイントにあります。

PRのポイントは、社会との長期的な信頼関係の構築にあります。企業や商品、サービスに関わるさまざまな人々を対象に、相互の理解と信頼を深めるための活動を展開することに重きを置きます。

一方、ブランディングは、企業や商品、サービスへの共感や認知を獲得することに重きを置いています。特定のイメージや価値観を形成・強化するために行われ、消費者に対して特定の印象を植えつけることに焦点を当てます。

企業のアイデンティティを確立し、消費者のロイヤリティを高めることを目的としているのです。

なお、ブランディング方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

PRの目的

PRの目的は以下の2つです。

• 社会やステークホルダーとの信頼関係を強化する
• 商品やサービスの認知度や購買意欲を高める

社会やステークホルダーとの信頼関係を強化する

PRの重要な目的の一つは、社会やステークホルダーとの信頼関係を強化することです。

ステークホルダーとは、企業や組織の活動に直接的または間接的に関わりをもつ個人や集団のことを指します。具体的には以下が含まれます。

• 顧客（カスタマー）
• 従業員
• 株主
• 債権者
• 投資家
• メディア
• 地域社会

PR活動を通じて、ステークホルダーとの良好な関係を築き、維持することは、企業の評判やブランドイメージを構築するうえで不可欠です。

PRは、単に情報を伝達するだけでなく、相互理解と共感を促進することで、信頼と尊敬を築きます。企業や組織はそのステークホルダーとの関係を強化し、長期的なサポートとロイヤリティを獲得できます。

商品やサービスの認知度や購買意欲を高める

PRのもう一つの重要な目的は、商品やサービスの認知度や購買意欲を高めることです。

PR活動により、企業は自社の製品やサービスを効果的に市場に紹介し、目立たせられます。消費者の注意を引くことで、製品やサービスに対する興味を喚起できます。

PRは、広告とは異なり、メディアやソーシャルプラットフォームを通じて、第三者による推奨や口コミ効果を生み出すことが多いです。

消費者に対してより信頼性の高い情報源となり得るため、製品やサービスの認知度を高め、最終的には購買意欲の向上に繋がります。

PRの具体的な方法【オンライン】

オンラインでのPRの具体的な方法としては、以下の4つがあります。

• プレスリリース
• SNS
• メルマガ
• オウンドメディア

プレスリリース

プレスリリースは、明確で情報価値の高いコンテンツを提供することが求められます。

ジャーナリストやメディアの関心を引くためには、ニュース価値のある、説得力のあるストーリーが必要です。また、適切なタイミングでの配信は効果を高めます。

デジタルプレスリリースは、リンクやマルチメディア要素を含められ、より豊かな情報を提供できるでしょう。

SNS

SNSでのPRは、対話的なコンテンツを通じてエンゲージメントを高めることが重要です。

フォロワーとの積極的なコミュニケーション、共感や共有を促す内容、視覚的に魅力的な投稿が効果的です。

ハッシュタグの活用やインフルエンサーとの協力により、より広い範囲のリーチと影響を実現できます。

SNSは迅速なフィードバックとリアルタイムの対話を可能にします。

メルマガ

メルマガを利用したPRでは、定期的なコミュニケーションによる関係構築が鍵になります。

教育的なコンテンツ、情報提供、オファーを通じて読者の興味を引きます。パーソナライズやセグメンテーションを活用し、よりターゲットに合った内容を提供することで、関与度を高めます。

メルマガは顧客と直接的なコミュニケーションを築く手段として効果的です。

オウンドメディア

オウンドメディアを活用すると、ブランドの声を直接伝えられます。高品質なコンテンツの提供により、ブランドの専門知識や価値を強調できることが特徴です。

SEO最適化により検索エンジンでの可視性を高めることで、ターゲットオーディエンスへのリーチと長期的な関係構築を目指します。

オウンドメディアは、情報を深く掘り下げ、ブランドストーリーを詳細に伝えられるプラットフォームです。

PRの具体的な方法【オフライン】

オフラインでのPRの具体的な方法として以下の4つが挙げられます。

• 新聞
• テレビ
• ラジオ
• イベント

新聞

新聞を活用したPRは、信頼性の高い情報ソースという新聞の特性を利用します。

新聞記事は、情報量が多く、読者にとって理解しやすい内容であることが重要です。新聞の読者層は広範囲にわたるため、説得力のあるストーリーやデータを用いることが求められます。

地域ニュースセクションや特定のコラムを活用することで、特定の地域や読者層に効果的にアプローチできます。

テレビ

テレビを用いたPRを行うには、視聴者の注意を引く視覚的要素とストーリーテリングが不可欠です。

短時間で明確なメッセージを伝えることで、ブランドや製品のイメージを効果的に強化します。ターゲット層に合わせた番組選択や放映時間帯の選定も、効果を高めるために重要です。

テレビCMにおいては、タレントを起用することで、注目度や認知度を高める効果も期待できます。

ラジオ

ラジオを利用したPRは、聴覚に訴えかけることが鍵です。

キャッチーなジングル（節目に挿入される短い音楽）や効果的なナレーションを使用し、リスナーの興味を引きます。

特定の番組や時間帯を選択することにより、狙ったオーディエンスに効率的にアプローチできます。

ラジオはとくに、車内や家庭でのリスニングに最適で、特定の地域や属性のリスナー層にリーチできるメディアです。

イベント

イベントを通じたPRでは、参加者が直接体験することで、ブランドや製品についての理解と関心を深めます。

双方向的な活動や話題性のある展示を提供することで、参加者の積極的な関与と、SNSを通じた口コミ効果を促進します。

イベントの内容は、ターゲット層の興味やニーズに合わせて慎重に企画することが重要です。

展示会、製品発表会、体験型ワークショップなど、イベントの形態は多岐にわたります。

以下の記事ではPRの方法についてより詳しく解説をしています。

PRを成功させるためのコツ

PRを成功させるためのコツは以下の6つです。

1. PRの目的を定める
2. PRのターゲットを明確にする
3. PRの目的・ターゲットに合わせて使用する媒体を選ぶ
4. PRに関するKPIの設定を行う
5. PR計画を作成する
6. PRの効果測定を行う

1.PRの目的を定める

PRの成功には明確な目的の設定が不可欠です。

目的はPR活動の方向性を決定し、どのようなメッセージを伝えるか、どのターゲットに焦点を当てるかが戦略の基盤となります。

効果的な目的設定には次のポイントが重要です。

• 具体性
• 測定可能性
• 一貫性

目的は具体的で、達成可能でなければなりません。たとえば「若年層の認知度を向上させる」「特定地域での市場シェアを拡大する」などの目標を設定します。

また、掲載数や問い合わせ数といった定量的に評価できるようなかたちで行うことが推奨されます。これにより、活動の進行と効果を定期的に測定し、必要に応じて戦略を調整できます。

PRの目的は企業の全体戦略と一致していることが必要です。ブランドイメージや会社の使命と矛盾しないように、全体的なビジョンの調和が求められます。

2.PRのターゲットを明確にする

PR活動の成功には、明確に定義されたターゲット層の理解が必要です。

ターゲットを特定することで、より効果的なメッセージを適切なチャネルを通じて届けられます。ターゲットを明確にするための流れは次のとおりです。

• ペルソナの作成
• STP分析
• ターゲットの動向分析

ターゲット層の詳細なプロファイルを作成することで、彼らのニーズ、関心、行動パターンを深く理解できます。

市場をセグメンテーション（細分化）し、ターゲットを特定し、適切なポジショニングを通じて、メッセージと戦略を展開します。

市場調査やデータ分析を行い、ターゲット層の最新のトレンドや行動を把握します。

3.PRの目的・ターゲットに合わせて使用する媒体を選ぶ

適切な媒体の選択は、PRメッセージを効果的に伝えるための鍵です。媒体選択の際に考慮すべきポイントは以下のとおりです。

上記のポイントを適切に取り入れることで、効果的かつ成功を期待できるPR活動を実施できます。

4.PRに関するKPIの設定を行う

PR活動の成果を測定し、成功を定量的に評価するためには、KPIの設定が重要です。

適切なKPIを設定することで、PR活動の進捗と成果を効果的に追跡し、必要に応じて戦略を調整できます。KPI設定の詳細なアプローチ方法は次のとおりです。

5.PR計画を作成する

効果的なPR活動には、詳細なPR計画の策定が不可欠です。PR計画を作成する際の主要なステップは以下のとおりです。

6.PRの効果測定を行う

PR活動の効果を正確に評価するためには、定期的な効果測定が必要です。主な効果測定方法には以下のようなものがあります。

PRが具体的に成功した事例として漫画「進撃の巨人」が挙げられます。進撃の巨人は特に海外での人気が高く多くのファンが存在します。

進撃の巨人の人気の理由やどうやってPRをしていったのかを知りたいという方は以下の記事をご参照ください。

タレントを起用してPRするならSkettt

ここまでPRとは何か、具体的にどのような方法があるかを解説し、また計画的に行うことで効果を得られる可能性が高まることにも触れました。

効果的にPRを行うには、ウェブサイトやSNSにタレントを起用するのも一つの手です。しかし「タレント起用するとなるとコストが気になる」「自社に合ったタレントの選定は大変そう」と感じる方もいるのではないでしょうか。

コストを抑えてタレント起用したいなら、タレントサブスクの利用を検討してみましょう。タレントサブスクとは、タレントの写真素材を月額料金制で利用できるサービスです。

タレントサブスクのSkettt（スケット）なら月額20万円から利用可能です。250名以上のタレント素材を提供しており、各タレントの素材数も200〜400枚と豊富にご用意しています。

しかも、クリエイティブ制作から効果検証の支援も行っているので、タレントを起用したPRをまるごと相談したい方にもおすすめです。

最短1か月から、事業にマッチしたタレントの素材を活用できます。ぜひSketttをご検討ください。

Sketttのサービス詳細はこちら

なお、タレントのサブスクリプションサービスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

PRとは広く社会とつながる活動のこと

PRとは、社会全体やステークホルダーとの継続的な関係構築を通じて、企業や製品の認知、理解を深めていく活動のこと。効果的なPRのためには、目的・ターゲットに合ったPR方法を選択しましょう。

自社に適したPR方法を選択するためには、目的、ターゲット、コストなどを考慮することが重要です。

コストを抑えて質の高いPRをしたい場合には、Sketttのようなタレント起用のサブスクサービスの利用もおすすめです。

Sketttは、月額20万円・最短1か月から利用できるため、リスクを抑えてタレントを起用したPRができます。タレントの選定からクリエイティブ制作、効果の検証まで一貫したサービスが受けられるため、活用してみてはいかがでしょうか。

Sketttのサービス詳細はこちら