「『進撃の巨人』の海外人気はどの程度?」「『進撃の巨人』の海外へのビジネス展開を参考にしたい」「『進撃の巨人』のような作品を作り、海外に売り出したい」とお考えではありませんか。
『進撃の巨人』は海外人気が高い作品であり、多くのファンが存在します。本記事では『進撃の巨人』の海外人気の実態や理由、とくに人気のあるキャラクターについて解説します。
最後まで読むことで、海外における『進撃の巨人』の立ち位置やイメージがわかり、自社のビジネスに活用できる参考にできるでしょう。ビジネスの海外展開の際に『進撃の巨人』を活用したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
『進撃の巨人』は『別冊少年マガジン』にて連載されていた漫画作品で、海外人気が高いです。全世界でシリーズ累計発行部数1億2,000万部(2023年12月時点)を超え、18の言語に翻訳され180カ国以上で出版されています。
日本の漫画とアニメに特化した世界最大級のデータベース「MyAnimeList」では、『進撃の巨人』のアニメがフォロワー数ランキングで1位(2024年3月時点)を獲得しました。
さらにアメリカにおいて「世界の視聴者から最も需要が高いテレビシリーズに与えられる賞」であるMost In-Demand TV Series in the World 2021を獲得し、英語以外の作品として初受賞をはたしています。人気作品『ウォーキング・デッド』などを抑えたこの結果は、日本のアニメとしては異例の快挙といえます。
原作者の諌山創はフランスで行われた第50回アングレーム国際漫画祭にて特別賞を受賞しており、世界的に人気の高い作品であることがうかがえます。
参照:アニメージュプラス「【進撃の巨人】儚い可愛いさ「まちぼうけ」シリーズの10周年記念バージョン!」
参照:MyAnimeList「Top Anime - Most Popular」
参照:PONY CANYON NEWS「【進撃の巨人】海外アワード連続受賞の快進撃!アニメの枠を超えて、進撃の巨人に世界が熱狂‼」
参照:Parrot Analytics「Anime and Asian series dominate 4th nnual Global TV Demand Awards, highlighting industry and consumer trends towards international content」
参照:朝日新聞DIGITAL「「進撃の巨人」諫山創さん特別賞 「漫画界のカンヌ」仏アングレーム国際漫画祭」
参照:Real Sound「『進撃の巨人』諫山創は世界的大作家へ 漫画界のカンヌ「アングレーム国際漫画祭」特別賞受賞の意味」
『進撃の巨人』の海外人気の理由は以下の4点が考えられます。
『進撃の巨人』の海外人気が高くなった理由の一つとして、ダークファンタジーというジャンルが関係している可能性があります。
海外では以前から『鋼の錬金術師』や『東京喰種』などのダークファンタジー作品が人気を博していました。『鋼の錬金術師』はMyAnimeListで平均レビュー点数が9.11点で1位(2020年3月時点)、『東京喰種』はニューヨークタイムズ紙の週間マンガランキングで1位(2015年6月時点)と人気がありました。
『進撃の巨人』が評価されやすい土壌が整っていたと考えられます。謎に満ちた巨人が人間を食らうというストーリーは広く人々の興味を惹きました。
参照:GLOBE+「日本人が知らない巨大アニメサイト 「MyAnimeList」の正体」
参照:アニメーションビジネス・ジャーナル「米国で「東京喰種」が絶好調 第1巻がNYタイムズのランキングで1年以上ベスト10に」
『進撃の巨人』が海外で注目を集めた理由はストーリーにもあります。
序盤は巨人VS人類という構図ですが、中盤になると作中に登場する架空の人種であるマーレ人がエルディア人を迫害してきた過去が描かれ、マーレ人VSエルディア人の展開になります。人種差別や対立を描いたストーリーは、ほぼ単一民族に近い日本よりも海外のほうが関心が高いと想定できるため受け入れられやすいでしょう。
作中では人種を理由とした隔離政策やヘイト、犯罪など差別に起因した事象が多く描かれています。いろいろなルーツをもつ人が混在している海外だからこそ、『進撃の巨人』のストーリーがより身近に感じられたのではないでしょうか。
人間が巨人に食べられ、平和な暮らしが侵食されていくという手に汗を握るシリアスな展開も『進撃の巨人』の人気の理由です。序盤から終盤までギャグシーンは少なく、張り詰めた展開が連続します。
多くの伏線が張られた怒涛の展開、子ども騙しと感じる隙の無い構成は大人世代にも多くのファンを生みました。絡み合うキャラクターたちの人間模様もファンを惹き込んで離さない要素といえます。
『進撃の巨人』の海外人気が高い理由として、人間を襲う「巨人」という不可解な存在が挙げられます。海外ではもともとゲーム『バイオハザード』やゾンビパニック映画など、人間に似た姿をした敵への恐怖を取り扱った作品の人気が高い傾向にありました。
『進撃の巨人』も人間に似た姿をした謎の存在が人間を襲い、食らうという衝撃的な要素が注目を集めた可能性があります。また、巨人の正体については謎が多く、その謎を辿る過程も読者の興味を惹きました。
海外においてゾンビパニック系の映像作品はそれだけで1ジャンルを築きあげるほどの定番であり、ホラー要素のある作品が人々に愛されていることがうかがえます。なかでもゾンビを倒していくゲーム、『バイオハザード』シリーズは世界で200以上の国でプレイされており、大人気です。
このような背景があることから、『進撃の巨人』が受け入れられやすい土壌が形成されていたと考えられるでしょう。
参照:NHK「バイオハザードシリーズ開発トップが語る人気の秘密と日本ゲーム業界への危機感」
『進撃の巨人』の人気が高い国には以下が挙げられます。
2ヶ国での人気の特徴を解説します。
アメリカでは『進撃の巨人』は高い人気を誇っており、社会現象といえるほどになりました。上述のMyAnimeListでの評価にも、人気が表れています。
映像作品の評価サイト「IMDb」では、10点満点中9.1点という高評価(2024年6月時点)で、アニメ全話を通して2,200件を超える(2024年6月時点)レビューがついています。
『進撃の巨人』はファン活動も盛んであり、アニメが放映されると多数のアニメリアクターが視聴の様子をアップしました。
アニメリアクターとは、アニメを見てその反応を動画で配信する動画配信者です。さまざまな年代、性別のアニメリアクターが『進撃の巨人』を見た様子を配信し、驚愕や感動の様子をレポートしています。
参照:IMDb「Shingeki No Kyojin(TV Series 2013–2023)」
参照:YouTube「Attack On Titan (With Sister)」
フランスはアニメなどサブカルチャー文化が浸透しており、『進撃の巨人』は人気タイトルの一つです。
フランスの「漫画の聖地」であるアングレームで行われた第50回アングレーム国際漫画祭では、『進撃の巨人』原作者の諌山創氏が特別賞を獲得しました。
アングレーム国際漫画祭は1974年より続く伝統的な行事で、欧州最大級の漫画の祭典として“漫画界のカンヌ”と呼ばれています。特別賞は10年に1度開設される賞なので、いかに『進撃の巨人』が人気なのかがわかるのではないでしょうか。
また、彼はこのイベントで『進撃の巨人』の執筆を行っていた机をオークションに出品して注目を集めています。特別なイラストとサインの記された机の売り上げは、国境なき医師団に寄付されるとのことです。
参照:ORICON NEWS「『進撃の巨人』作者、フランス漫画祭で特別賞 オークション出品で思い出の机手放し寄付へ」
『進撃の巨人』の海外人気キャラクターは以下のとおりです。
上記のランキングは海外の人気投票サイト、Ranker「The Best 'Attack On Titan' Characters, Ranked」を参考にしています。
人気ランキングの1位はリヴァイ・アッカーマンです。
リヴァイは巨人を狩る調査兵団の兵士長であり、人類最強の戦士です。小柄ですが圧倒的な戦闘力を秘めており、巨人の弱点であるうなじを的確に切り取るシーンが印象的です。
冷静な観察眼を持っており、多くの敵に囲まれても焦った姿は見せません。仲間たちを導く頼れるキャラクターです。
地下街出身のごろつきで、口が悪く不愛想ですが、そんなところもクールな印象を与えます。意外に趣味は掃除で、潔癖症な一面があるというギャップも魅力の一つでしょう。
参照:Ranker「The Best 'Attack On Titan' Characters, Ranked」
人気ランキングの2位はハンジ・ゾエです。
彼女は調査兵団の一員で、巨人の研究を行う研究者でもあります。巨人に興味を持ち、熱烈な態度を取るところは一見奇天烈に見えますが、常識もしっかりと持ち合わせた人物です。
強いリーダーシップの持ち主でもあり、調査兵団の団長エルヴィン亡き後は団長の座を継ぎました。表情豊かで温和な気性の持ち主のため、親しみを感じやすいキャラクターです。聡明な頭脳で巨人の謎に迫る姿は多くのファンを惹きつけました。
リヴァイ同様、調査兵団を導く役割を担っていますが、リヴァイが厳しい態度であることに対して、ハンジはやさしく団員に接します。こうしたお互いを補い合うようなキャラクター性も、両者の人気を高め、調査兵団の人間模様を魅力的に見せている一因でしょう。
参照:Ranker「The Best 'Attack On Titan' Characters, Ranked」
人気ランキングの3位はミカサ・アッカーマンです。彼女は主人公エレンの幼馴染であり、『進撃の巨人』のヒロインでもあります。
見習いである訓練兵団の時代から大変優秀な成績の持ち主で、調査兵団に入団後も数々の巨人を屠ってきました。訓練兵団卒業時の成績は首席であり、その技術の高さがうかがえます。
彼女は幼いころにエレンに助けられ、家族のように過ごしてきました。そのためエレンを大変大切に思っており、彼の力となることに全力を尽くします。トレードマークである赤いマフラーは幼少期にエレンが贈ったもので、どのようなときでも身に着けています。
クールでポーカーフェイスですが、同時に愛情深いキャラクターです。彼女の熱い思いが人気の秘訣ではないでしょうか。
参照:Ranker「The Best 'Attack On Titan' Characters, Ranked」
『進撃の巨人』は海外において数々の賞を受賞しており、海外人気の高い作品です。海外人気の理由は以下が考えられます。
アメリカやフランスなどでとくに人気が高い傾向があります。シリアスな展開や人種差別をテーマにしたストーリーが注目を集めた理由だと考えられます。また個性的なキャラクターも特徴的であり、ファンの心を掴んだと推測できます。
『進撃の巨人』の要素を分析することで、海外でも人気となるコンテンツを作れる可能性が高まります。これから海外でのビジネスを検討している方は、『進撃の巨人』の人気の理由や作品展開をぜひ参考にしてください。
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