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「アンパンマンをビジネスに利用したいけど著作権が気になる」「アンパンマンの著作権は切れているといわれているけど本当か知りたい」「『アンパンマン』のキャラクターを使った商品・サービスを作る際の注意点を知りたい」
子どもに人気の『アンパンマン』に登場するキャラクターを使用して、商品・サービスを作りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
結論としてはアンパンマンの著作権は切れていません。著作権フリーのキャラクターではないため、利用には著作権者の許可を得ることが必要です。
本記事では、アンパンマンの著作権の実態や、アンパンマンを利用する際の注意点について詳しく解説します。
最後まで読むことでアンパンマンの著作権の扱いが理解でき、安全に利用できるようになるでしょう。『アンパンマン』のキャラクターを利用したい方は、ぜひ参考にしてください。
アンパンマンの著作権は切れていません。
アンパンマンはやなせたかし氏によって創作されたキャラクターであるため、やなせたかし氏が著作者であり、最初の著作権者となります。
現在はやなせたかし氏が逝去したことで以下の会社に著作権が移っています(2024年4月現在)。
アンパンマンの著作権はフリーではないため、利用する際には許可を得る必要があります。無断使用しないように注意しましょう。
参照:日本テレビ音楽株式会社「ご利用の方へ|他|アンパンマンポータルサイト 」
アンパンマンの著作権は2083年12月31日まで保護されています。アンパンマンのもともとの著作権者であるやなせたかし氏は2013年に逝去されました。
日本の著作権法における著作権の保護期間は、著作物の創作のときに始まり、原則として「著作者の死後70年間」存続すると規定されています(著作権法51条)。
保護期間は、著作者が逝去された日が属する年の翌年から起算される規定となっています(著作権法57条)。2013年10月13日に亡くなったやなせたかし氏の場合、70年間の保護期間は、2013年10月14日ではなく2014年1月1日から起算され、2083年12月31日まで続くのが原則です。
やなせたかし氏が逝去されたからといって、著作権がなくなるわけではありません。現在も複数のアンパンマンの著作権者によって保護・管理されています。
参照:e-Gov法令検索「著作権法」
『アンパンマン』の著作権者による許可がないかぎり、原則として作品に登場するキャラクターは利用できません。
やなせたかし氏は作者の意図する範囲であれば、自身の作品の改変に寛容な姿勢でした。しかし、やなせたかし氏が意図しないかたちでキャラクターを悪意をもって改変するなどの事例は多くあります。
現在は前述した複数の組織が著作権を保有しており、やなせたかし氏が創作したアンパンマンを無断で利用すると、著作権を侵害したとして刑事責任や民事責任を追及される場合があるでしょう。
実際に起きたアンパンマンに関する著作権違反には次のような事例があります。
以下では、それぞれの著作権違反事例について解説していきます。
2022年、約6,000点の非公認キャラクターワッペンが中国・上海から日本に不法輸入される事件が発生しました。
ワッペンには、アンパンマンなどの世界的に有名なキャラクターが含まれており、著作権違反として事件化されています。キャラクターの著作権は、それぞれ創造した企業や団体が所有し、使用には著作権者の許可が必須です。
事件の中心人物は、神戸市東灘区に住む59歳のマンション管理人でした。彼は生活費確保のため、許可なくこれらのキャラクターをデザインしたワッペンの製造を中国の業者に依頼したと答えています。
国際スピード郵便で密輸しようとしたところ、関西国際空港での検査で発覚し、著作権法と関税法違反で逮捕されました。
調査により、過去にも同様の行為でフリーマーケットアプリを通じて販売し、150万円以上の売り上げがあったことが判明しました。
参照:ラジオ関西トピックス「中国から「ミッフィー」や「アンパンマン」などのワッペン密輸 神戸の男、関税法違反容疑で逮捕 神戸税関も告発」
2021年、山口県と川崎市の二人の男性が、アンパンマンなどの有名アニメキャラクターを無断で使用しゲームアプリを開発・配信したことで、公衆送信権侵害の罪に問われています。
佐賀地方裁判所は彼らに懲役2年6ヶ月、罰金100万円、預金債権約78万円の没収を含む執行猶予4年の判決をしました。
判決では、キャラクター画像を編集したり加工したりできるアプリ制作を分担し、多額の広告収入を得ていたことが指摘されています。
彼らは2015年9月から2017年6月にかけて、アンパンマンをはじめとするキャラクターを無許可で利用し、これらを題材にしたゲームアプリを制作・配信しました。
本事例は、著作物を不正使用することの法的な重大性と罰の重さを浮き彫りにしています。
参照:佐賀新聞「「アンパンマン」など盗用しゲーム制作 著作権法違反の2被告に有罪」
岐阜県の露店商一家が『それいけ!アンパンマン』のキャラクターを模した人形焼を無許可で販売し、著作権法違反の疑いで警察に調査された事例があります。
2020年6月16日に美濃加茂市でこの露天商一家が行った人形焼の販売は、新型コロナウイルスの影響で収入源が減少したことに対する対策として考え出されたものです。SNS告知を通じて約3ヶ月で360万円の収益を上げました。
しかし、著作権専門の桑野雄一郎弁護士は、アニメや漫画のキャラクターを模した商品の販売が著作権侵害に当たる可能性があると指摘しています。
アンパンマンのようにシンプルなデザインのキャラクターは複製物とみなされやすいと注意喚起をしています。
アンパンマンの広告や包装袋を使用して人形焼を販売していたため、複製権と譲渡権の侵害にあたる可能性があると指摘されました。
参照:弁護士ドットコム「アンパンマンの「人形焼」を無許可で販売、形が崩れても「著作権侵害」になるの?」
著作権を侵害せずにアンパンマンのようなキャラクターを使用する方法には、以下があります。
確実な方法は、アンパンマンの著作権者から直接許可を得ることです。著作権者は、作品の使用について許可を与える権限を持っています。
許可を得るプロセスには、使用目的、使用方法、使用期間などを明確に伝え、契約を結ぶことが含まれます。許可を得た場合、契約に基づき、著作権者の指定する条件のもとでアンパンマンを利用可能です。
上記の方法は、商業的な利用や公の場での使用において、法的な問題を避けるために最適であるといえるでしょう。
著作権法には引用の規定があり、特定の条件を満たせば、著作物を許可なく使用可能です。
引用は、批評や報道、研究など、公共の利益に資する目的での使用が認められている場合に限られます。
引用する際には、出典を明示し、引用の範囲内であることを確実にしなければなりません。
引用であれば何でも許されるわけではなく、原作の内容を歪めない、必要最小限の範囲で使用するなど、厳格な条件が設けられています。
著作権法では、個人の私的な範囲内での著作物の使用を一定の条件下で認めています。
個人利用には家庭内での鑑賞や、非公開の趣味の範囲での利用などが含まれることが原則です。個人が家族や友人のためにアンパンマンの絵を描く、個人的な楽しみとしてコスプレをするなどが該当します。
インターネット上での公開や販売、広告材料としての利用などは、個人利用の範囲を超えるため、著作権者の許可が必要です。
アンパンマンを利用する際は、著作権法を遵守して、必要に応じて著作権者から許可を得るようにしましょう。
著作権とは、創作活動によって生み出された独創的な作品に対し、著作者に与えられる権利です。
アンパンマンのようなキャラクターだけでなく、文学、音楽、美術、映画、写真など多岐にわたる著作物が含まれます。
著作権の目的は創作者の権利保護と創作活動の促進であり、文化発展と社会利益に寄与するものです。著作物を無断でコピーまたはインターネット上で無許可で使用することは禁じられており、著作者からの許可が必要となります。
許可のためには使用条件の交渉や対価支払いが含まれることもあるでしょう。インターネットの普及で著作物の公表が容易になり、著作権の適切な扱いが現代社会で重要視されています。
著作権は創作された瞬間に自動的に発生し、特別な登録は必要ありませんが、取引の安全を確保するための登録制度をもつ国もあるため注意が必要です。著作権と産業財産権は異なり、後者は登録により権利が発生します。
著作権者とは、創作物に対する知的財産権をもつ個人や団体を指します。創作された瞬間に創作者に自動的に著作権が発生し、著作権者となるしくみです。
アンパンマンの例でいえば、やなせたかし氏が著作権者となります。
著作権法では、著作権者が著作物の利用に関する許可権を持ち、著作者が権利を他者に譲渡した場合、譲渡先が新たな著作権者となります。
著作権には著作者人格権と財産権があり、財産権のみ譲渡・相続が可能です。
著作権の種類 | 概要 | 有効期間 | 譲渡 |
---|---|---|---|
著作者人格権 | 人格的な利益を保護する権利 | 著作者の生存中のみ(死亡時に消滅) | 譲渡できない |
財産権 | 経済的な利益を保護する権利 | 著作者の死後70年間 | 譲渡・相続できる |
著作物を使用する際には、著作者ではなく現在の著作権者から許可を得なければなりません。著作物の利用許可を得るためには、著作権者を正確に把握することが重要です。
参照:e-Gov法令検索「著作権法」
アンパンマンの著作権は切れておらず、現在は著作者のやなせたかし氏から下記の会社などに移っています。
著作権の保護は、著作権者が逝去したあとも続きます。
著作権法の規定では、著作者の死後70年間は保護期間となり、期間中に無断で使用することは著作権侵害とみなされます。アンパンマンのようなキャラクターやイラストを使用する際には、必ず著作権者からの許可を得るようにしましょう。
一般に、著作権者が逝去したあと、著作権は個人や会社のような団体に継承されます。したがって、逝去後も著作権がフリーになることはありません。
著作権が分散している場合、どの団体が著作権を保持しているのかを正確に把握し、適切な許可を得る必要があります。
著作権は創作者の権利を保護し、創作活動を奨励するために不可欠なものです。違反すると法的責任を問われることをきちんと認識しておきましょう。
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