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「『ワンピース』の海外人気はどのくらい?」「海外人気の高い『ワンピース』をビジネスに活用したい」「海外展開の好例として『ワンピース』を参考にしたい」といったお考えはありませんか。
『ワンピース』は海外人気の高い作品であり、国内外に多くのファンが存在します。本記事では、『ワンピース』の海外人気の実態や理由、人気が高い地域を解説します。
最後まで読むことで、海外における『ワンピース』の立ち位置やイメージがわかり、自社のビジネスにどう役立てられるかを検討しやすくなるでしょう。
ビジネスの海外展開の際に『ワンピース』を活用したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
『ワンピース』は『週刊少年ジャンプ』で大人気連載中の漫画作品で、全世界累計発行部数は5億1,000万部(2022年7月時点)、コミックスは60の国と地域で流通しています。
世界で最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズとしてギネス世界記録にも認定されました。それ以前も3億2,086万6,000冊(2014年12月時点)で記録を保持していましたが、自ら塗り替えています。
世界各国で人気の漫画として知られており、少年漫画の代表的タイトルです。
参照:アニメハック「「ONE PIECE」全世界累計発行部数が5億部突破 ギネス世界記録も更新」
参照:ギネス世界記録「ルフィが手に入れた世界一の証|『ONE PIECE』とギネス世界記録」
『ワンピース』の海外人気が高い理由は以下の3つが考えられます。
『ワンピース』の海外人気が高い理由の一つは、仲間との絆です。
『ワンピース』は仲間との協力によって強敵を打ち倒す王道の少年漫画的ストーリーが魅力です。そのなかには、仲間との出会いや仲間になるまでの過程、別れなどがあり、絆を結ぶ様子が描かれています。
さらに、主人公だけが強くなるのではなく、仲間たちがそれぞれの強さを磨いており、互いに協調して敵と戦うところも魅力です。信頼し合い、背中を任せるシーンも少なくありません。
友情・努力・勝利の胸が熱くなる展開は、国を問わず人々の心に響きます。仲間との絆が生み出す関係性がファンに愛される理由です。
『ワンピース』の人気の理由として、設定が作り込まれていることも挙げられます。
作中の世界観や地理的な位置関係、海賊という存在への世の中のイメージや評価などがしっかりと存在し、現実離れした物語ながら納得感を高めています。
また、緻密に敷かれた伏線が一つひとつ回収されていくストーリーは圧巻です。
それらが生み出す没入感は、『ワンピース』が愛される理由でしょう。
主人公であるルフィがひとつなぎの大秘宝・『ワンピース』を探しながら海賊王を目指して世界中の海を冒険するストーリーもファンに愛されるところです。
わかりやすい目的のある内容は共感を生みやすく、多くの人の心を動かしやすいといえます。何者でもない少年が世界一の海賊になることを目指す物語は、成り上がりのストーリーでもあり、海外で人気が高くなりやすいといえるでしょう。
海賊の財宝や大冒険、仲間たちなど、ロマンを抱かせる要素がちりばめられたストーリーは、国内外問わず人々を夢中にさせる魅力があります。
『ワンピース』の海外人気が高い地域には以下が挙げられます。
上記はダイアモンドロビーが2021年6月に調査したデータをもとにしています。
引用:DIAMOND LOBBY「What’s the Most Popular Anime Around the World?」
© 2024 DiamondLobby
それぞれの地域について詳しく見ていきましょう。
アジアでは以下の国で人気が高いです。
引用:DIAMOND LOBBY「What’s the Most Popular Anime Around the World?」
© 2024 DiamondLobby
推し活メディアnumanで2019年6月28日~7月16日に実施された調査をもとに、国ごとに解説していきます。
台湾では、好きな日本のコンテンツというランキングで『ワンピース』が1位を獲得しました。また有名な日本のコンテンツというランキングでは3位を取得するなど、台湾の方への浸透ぶりがうかがえます。
参照:推し活メディアnuman「『コナン』が中止になる国も?海外人気アニメ、第1位は『ワンピース』!第2位は?」
マレーシアで好きな日本のコンテンツとして『ワンピース』が1位を獲得しています。有名な日本のコンテンツでも3位となっており、『ワンピース』の海外人気がうかがえる結果となりました。
マレーシアでは、字幕つきで日本の番組を視聴できます。
参照:推し活メディアnuman「『コナン』が中止になる国も?海外人気アニメ、第1位は『ワンピース』!第2位は?」
タイでも好きな日本のコンテンツとして『ワンピース』が3位を獲得しています。有名な日本のコンテンツでは6位です。
タイでは漫画が日常的に楽しまれており、翻訳版も手頃な金額で購入できます。そのため、『ワンピース』は国民に広く愛されている作品として知られています。
『ワンピース』以外にもアニメやドラマの他、バラエティ番組やドキュメンタリー番組などの日本のコンテンツが親しまれています。
参照:推し活メディアnuman「『コナン』が中止になる国も?海外人気アニメ、第1位は『ワンピース』!第2位は?」
インドネシアでは、好きな日本のコンテンツとして『ワンピース』が2位を獲得しています。有名な日本のコンテンツでは5位です。
アニメがテレビで放映されたことから人気が広がりました。
また、タイと同様に翻訳版の漫画が手頃な値段で購入できるため、漫画の人気も高く、多くの人に愛されています。
参照:推し活メディアnuman「『コナン』が中止になる国も?海外人気アニメ、第1位は『ワンピース』!第2位は?」
ヨーロッパでは以下の地域で人気が高いです。
引用:DIAMOND LOBBY「What’s the Most Popular Anime Around the World?」
© 2024 DiamondLobby
詳しく見ていきましょう。
フランスは世界第二位の漫画大国であり、ヨーロッパの国でもとくに漫画やアニメなど日本のコンテンツが人気となっています。なかでも『ワンピース』は人気が高く、2011年以降フランスで最も売れている日本の漫画です。
フランスにおける『ワンピース』の漫画の発行部数は2013年以来2,500万部にのぼります。フランスの人気コミック『アステリックス』の新刊さえ出なければ、『ワンピース』がフランスで最も売れている漫画となっていたともいわれています。
2021年12月にフランス語版の『ワンピース』の第100巻が出版されると、初版にもかかわらず25万部が発売されました。フランスでは日本の漫画が売上高の半分以上を占めており、そのうちの約10%を『ワンピース』が占めています。
参照:courrier「『ONE PIECE』の100巻刊行が想像以上に多くのフランス人を熱狂させていた!」
参照:Japan in-depth「仏熱狂「ワンピース」第100巻初版25万部」
参照:ARAB NEWS「『ONE PIECE』作者・尾田栄一郎氏、仏大統領へ原画をプレゼント」
2022年にはイタリアで最も売れた漫画として『鬼滅の刃』第1巻がランクイン、ついで『ONE PIECE』の第100巻、『鬼滅の刃』第17巻が人気です。
イタリアの漫画市場では鬼滅の刃と『ワンピース』の人気が高く、日本の少年漫画への関心の高さがうかがえます。
参照:MANGA FOREVER「Demon Slayer: il numero 1 è stato il manga più venduto in Italia nel 2022」
アフリカ全体における人気第1位はナルト、第2位に『ワンピース』がランクインしています。アフリカでは北側を中心に『ワンピース』の人気が高いです。
引用:DIAMOND LOBBY「What’s the Most Popular Anime Around the World?」
© 2024 DiamondLobby
世界各地で『ワンピース』が熱い支持を得ていることがわかるでしょう。
『ワンピース』で海外人気が高いキャラクターは以下のとおりです。
上記のランキングは、第1回ONE PIECE キャラクター世界人気投票「WORLD TOP 100」を参考にしています。投票は、世界219の国と地域を対象に過去最大規模で開催されました。
参照:YouTube「【ONE PIECE TIMES】 第1回ONE PIECE キャラクター世界人気投票!最終結果発表〜前編〜」
参照:YouTube「【ONE PIECE TIMES】 第1回ONE PIECE キャラクター世界人気投票!最終結果発表〜後編〜」
世界人気投票の第1位はルフィです。
麦わら帽子がトレードマークの主人公で、海賊団の団長であり、リーダーシップを発揮する頼りがいのあるキャラクターです。
彼は何度も人気ランキングで1位に輝いており、高い人気がうかがえます。少年漫画では一歩引いたところから主人公を支えるクールなキャラクターが人気ランキング1位を獲ることも多いなか、ルフィは圧倒的な人気を誇っています。
船長として仲間を支える存在感、仲間とともに敵を打ち倒す力強さなどが合わさった唯一無二のキャラクター性が理由でしょう。主人公の人気の高さも、『ワンピース』が国内海外を問わず支持される理由かもしれません。
世界人気投票の第2位はナミです。
女性キャラクターのナミは、主人公一派の冒険を導く航海士です。彼女はしっかりとした性格で明るく、チームを支えるよきサポートキャラクターで、時に武器を手に戦うこともある、力強い女性です。
強さと優しさを兼ね備えた魅力が読者の人気を集めていると考えられます。主人公たちのまとめ役として働く彼女にはシビアな一面もあり、お金に厳しいところがあります。
とくにヨーロッパで人気が高いキャラクターです。
世界人気投票の第3位はゾロです。
ゾロは麦わらの一味の最初の仲間であり、一味の大黒柱というべき頼もしい兄貴分です。三本の刀を使う三刀流の剣士で、バトルでも華麗な活躍を見せます。
自分を犠牲にしてでも仲間を守るという男気のあるキャラクターであり、頼もしくかっこいい姿に惹かれるファンは多いでしょう。信念のある生き様や、高い向上心を持ち努力を惜しまない姿勢はつい惹き込まれます。
ゾロには、実は極度の方向音痴という欠点もあります。ギャップのあるキャラクター性がファンの心をくすぐるのではないでしょうか。
『ワンピース』のマルチメディア展開は以下のとおりです。
『ワンピース』の漫画は2024年4月現在も『週刊少年ジャンプ』にて連載中です。週刊少年ジャンプでは、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』につぐ長期連載であり、幅広い世代の人気を集めている作品です。
単行本『ONE PIECE』は108巻まで(2024年4月時点)発行しています。国内、海外を問わず高い人気を誇り、外国語版も多数出版されています。
参照:ONE PIECE.com「ONE PIECE 1巻 ROMANCE DAWN - 冒険の夜明け - | 原作コミックス」
©︎尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
アニメ『ONE PIECE』は2024年4月時点で1100話以上が配信されており、現在も放映中です。
制作は『プリキュア』や『ドラゴンボール』なども手掛けた東映アニメーションです。『ワンピース』はアニメも非常に長期にわたって放送されており、東映アニメーションが制作したアニメの中でも最も長く続いています。
参照:ONE PIECE.com「第1話 俺はルフィ!海賊王になる男だ! | TVアニメ」
©︎尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
『ワンピース』のアニメは海外でも強い人気を誇り、世界各国で放映されています。
『ワンピース』は劇場版も多数制作されており、現在は15作がリリースされています(2024年4月時点)。
2022年に公開された劇場版『ONE PIECE FILM RED』は、2023年1月30日時点で全世界興行収入319億円を突破し、世界中で大きな盛り上がりを見せました。国内では公開177日間で興行収入197億円、動員人数1,427万人を突破し、国内の映画興行収入ランキング歴代8位を記録しています。
引用:『ONE PIECE FILM RED』公式サイト「アンコール上映終了!国内興行収入203億円突破!」
©︎尾田栄一郎/2022「『ワンピース』」製作委員会
その後も1年を待たずに国内のアンコール上映が続き、上映終了後の2023年11月20日時点では国内累計の興行収入203.3億円、動員人数1,474万人で幕を閉じました。
映画の主題歌『新時代』はApple Musicの国内チャート・グローバルチャートどちらも1位を記録し、当時世界で一番聞かれた楽曲となりました。フランスやギリシャなど国ごとのチャートでも1位にランクインしており、国内外で70冠を獲得した実績から人気の高さがうかがえます。
人気は『新時代』だけにとどまらず、アルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』が26冠、その他の収録曲も各チャートで1位を獲得しており、歌手であるAdo氏の楽曲が各種チャートを総なめしました。
日本を超えて世界中で社会現象を巻き起こした作品といえるでしょう。
参照:『ONE PIECE FILM RED』公式サイト「『FILM RED』全世界興行収入319億円突破!」
参照:『ONE PIECE FILM RED』公式サイト「アンコール上映終了!国内興行収入203億円突破!」
参照:UNIVERSAL MUSIC JAPAN「「新時代」が世界1位に!!国内外で70冠を獲得!」
『ワンピース』は「『ワンピース』 バウンティラッシュ」、「『ワンピース』 トレジャークルーズ」などアプリゲームも展開しています。ソーシャルゲーム・家庭用ゲームともに複数リリースされ、人気です。
引用:バンダイナムコエンターテインメント公式サイト「ONE PIECE バウンティラッシュ」
©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.
天気予報や歩数計などでキャラクターと毎日楽しめるONE PIECE公式アプリ『まいにちONE PIECE』も好評配信中です。
『ワンピース』は実写ドラマ化もされており、Netflixオリジナルドラマシリーズ『ONE PIECE』として独占配信されました。
アメリカと日本の共同製作作品としてリリースされた本作は、世界93カ国でNetflix 公式ランキングにトップ10入りするという快挙を遂げ、46カ国で初登場1位を記録しています。配信開始からわずか2週目で視聴数が3,780万ビューを超えました。
TikTok上では「#onepiecenetflix」の検索インプレッション(表示回数)が40億回を超え、視聴者の関心の高さを示しています。
参照:東洋経済オンライン「Netflix実写「ONE PIECE」世界ランク1位の好発進」
『ワンピース』の海外人気を語るうえで無視できないのがアニメリアクターと呼ばれるファンの存在です。
アニメリアクターとは、アニメを見てそのリアクションを配信する動画配信者のことを指します。ストーリーを見た感想や感動を一緒に楽しめる点が人気です。
配信者によってさまざまな視聴者が集まるため、アニメ作品自体を知らない層が興味をもつこともあります。ファン同士の交流が作品自体の人気を高めている好例といえるでしょう。
しかし、アニメ作品を無断でビジネスに利用する場合、知的所有権の侵害にあたるといったトラブルに発展するおそれがあります。
『ワンピース』は世界で最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズであり、海外人気が高い作品です。海外人気の理由には以下が考えられます。
アジアやフランス、イタリアなどのヨーロッパ、アフリカでとくに人気が高い傾向にあります。原作漫画からアニメ・映画・アプリゲーム・ドラマなど、幅広いメディアミックスを展開していることも特徴です。
これからビジネスの海外展開を検討している方は、『ワンピース』の海外人気の理由やメディアミックスをぜひ参考にしてください。
IPにまつわる知識・ニュースを随時発信しています。