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「『チェンソーマン』は海外人気が高い?」「『チェンソーマン』で海外人気のあるキャラクターは?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
『チェンソーマン』は、海外でも人気が高く、これまで数々の賞を受賞しています。とくに、迫力のあるアクションシーンや斬新なストーリー展開が、海外でも話題を呼んでいるようです。
この記事では、『チェンソーマン』が海外人気が高い理由や実際に海外ファンに支持されている人気のキャラクターを紹介します。海外から人気を集めるほかの『週刊少年ジャンプ』関連作品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
『チェンソーマン』は、海外でも高い人気を誇る作品です。『少年ジャンプ+』で連載されており、単行本の累計発行部数は、2,600万部を突破しています(2024年11月時点)。
2022年にアニメ化が決定し、予告編が日本で公開された際は、アメリカの書籍チャネルのチャートトップ20の半分が、『チェンソーマン』と『呪術廻戦』の2作品で占められるほどの盛り上がりを見せました。
また、アメリカの漫画賞であるハーヴェイ賞において、「Best Manga」を2年連続で受賞しています。ハーヴェイ賞は、アメリカの出版業界において最も長い歴史のある賞の一つで、「Best Manga」は、その年の英語に翻訳された作品の中で最も優れた漫画に贈られる賞です。2年連続での受賞は、『チェンソーマン』が初の快挙です。
またアニメの配信が開始した2022年秋には、世界最大級の日本アニメのデータベースといわれる「MyAnimeList」で、ランキング1位を獲得しました。
アニメ専門配信サービス「Crunchyroll」では、字幕と吹き替え合わせて200カ国以上の国と地域で配信されています。
『チェンソーマン』の人気は、日本だけではなく、国境を越えて世界に広がっているのです。
参照:アニメフリークス「「チェンソーマン」の二部はいつから連載する?7月13日より再開!」
参照:ICv2「December 2021 NPD BookScan - Top 20 Adult Graphic Novels」
参照:コミックナタリー「『チェンソーマン』がハーヴェイ賞の「Best Manga」部門受賞、2年連続は史上初」
参照:MyAnimeList「2022年秋 - アニメ -」
参照:Brand New Creativity「世界を“獲りに行く”「チェンソーマン」、アニメ業界に大革命を起こす?」
なお、『呪術廻戦』の海外人気についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
『チェンソーマン』の海外人気が高い理由として、以下の5つが考えられます。
『チェンソーマン』特有のユニークでダークな世界観も、海外から人気を集めている理由の一つです。『週刊少年ジャンプ』関連作品といえば、「友情・努力・勝利」を感じさせるストーリーが王道といわれています。
しかし『チェンソーマン』は、そういったヒーロー路線とは一線を画しており、ダークな要素が多く含まれているのです。貧困や孤独、生と死など、普遍的なテーマも扱われており、キャラクターの心理に共感しやすい点が、海外ファンの心をつかんでいます。
主人公のデンジは、平和や秩序を守るためといった高尚な目的ではなく、自らの欲望に忠実に行動するなど「理想的なヒーロー像」からかけ離れた存在です。そのうえ絶妙なユーモアが加わったストーリーが、とくに大人のファン層に支持されています。
深いテーマ性とキャラクターの魅力が融合し、独自の世界観を生み出すことで、海外でも高い人気を得ているのです。
伏線が多く、予想できないストーリー展開も海外から人気を集めている理由の一つです。『チェンソーマン』では、重要なキャラクターの突然の死や裏切りが頻繁に起きます。
また登場キャラクターのバックグラウンドが徐々に明らかになるにつれて、物語の方向性が大きく変わることも珍しくありません。
先の読めない展開が続くため、常に新たな驚きを期待しながらストーリーを追いかけられるのです。伏線や意外性のある展開が、海外のファンを魅了しています。
『チェンソーマン』は、深い考察を促し、ファン同士の議論を生む作品としても評価されています。
壮絶なアクションシーンも、『チェンソーマン』が海外から人気を集めている理由の一つです。作品はスピード感に溢れ、迫力のあるバトルシーンが特徴です。
息を飲むような荒々しいアクションシーンや、クオリティの高いダイナミックな描写が、海外でも話題になっています。
少年漫画においてバトルシーンは王道ではありますが、『チェンソーマン』には残酷でバイオレンスな描写が多く、思わず目を伏せたくなるような血まみれのシーンも登場します。
アニメでもそんな原作漫画のバトルシーンを忠実に描写しているため、海外ファンから驚きと喜びの声が上がっているのです。
他の作品ではあまり見られない自由な表現が、作品の迫力をよりいっそう引き立てており、興奮や緊張感を味わえるとして評価されています。
個性豊かで魅力的なキャラクターが揃っていることも『チェンソーマン』が海外で人気のある理由の一つです。登場するキャラクターたち一人ひとりの存在感が強く、それぞれの個性が際立っています。
また、「クールなのに情熱的」「厳しいのに優しい」など、正反対の要素を持ち合わせたキャラクターが多い点も魅力の一つです。
たとえば、主人公のデンジは「生」に対する執着がありません。しかし胸にある紐を引っ張ると何度でも復活できるため、実質的に死にたくても死ねない要素を持っています。
このようなキャラクターの個性の強さや複雑さが、海外のファンを惹きつけ、作品に対する愛着を生んでいます。
それぞれのキャラクターの背景や成長が描かれることで、よりいっそう物語に没入し、感情移入できるのでしょう。
世界のアニメファンから支持される制作スタジオ「MAPPA」がアニメ制作を手掛けていることも、海外人気の理由の一つです。
MAPPAは高度なアニメーション技術を駆使し、アクションシーンや細かい背景描写、ダイナミックなカメラワークによって、迫力のあるストーリー展開を演出しています。
とくに壮絶なバトルシーンやスタイリッシュな映像作りには、MAPPAの技術力が存分に活かされており、海外ファンの心を掴んでいるのです。
MAPPAは『進撃の巨人』や『呪術廻戦』などの人気作品を手掛けており、その実績が世界中のアニメファンから高く評価されています。そのため作品に対する期待感が高まり、リリースを待ち望むファンが多くいるのです。
なお、『進撃の巨人』と『呪術廻戦』の海外人気についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
海外人気の高い『チェンソーマン』のキャラクターTOP3を、「MyAnimeList」をもとに紹介します。
パワーは、主人公デンジの仕事仲間であり親友。見た目は10代後半の女の子ですが、頭に2本の赤い角が生えた、公安対魔特異4課に所属する「血の魔人」です。魔人とは、悪魔が人間の体を乗っ取った姿のことで、人格は悪魔です。
わがままで自由奔放な性格ですが、実は臆病者というギャップを持っています。礼儀知らずでよく嘘をつきますが、猫のニャーコをかわいがる一面もあり、その愛らしさが彼女の魅力を引き立てています。
天真爛漫で明るい性格が、海外ファンの心を惹きつけている理由の一つです。パワーの独特なキャラクター性が、物語における重要なアクセントとなっており、彼女の存在が作品全体をより魅力的にしています。
参照:MyAnimeList「Power (Chainsaw Man)」
デンジは、『チェンソーマン』の主人公です。自分の欲望に素直で、単純な性格です。幼少期に両親を亡くし、父親の借金を返済するため、相棒の悪魔ポチタと一緒にデビルハンターをして生計を立てています。
ヤクザに裏切られ一度は命を落としましたが、ポチタの心臓をもらい復活しました。人間でありながら、チェンソーマンになる能力を持つ唯一無二のキャラクターです。
デンジはマキマと出会った後、公安対魔特異4課で働き始め、悪魔と戦います。王道の主人公のイメージを裏切るユニークなキャラクターであり、自由で無邪気な性格が多くの海外ファンに愛されています。
物語を通じてデンジの葛藤や成長が描かれることで、彼のキャラクターだけでなく『チェンソーマン』という作品をさらに奥深くしています。
参照: MyAnimeList「Denji (Chainsaw Man)」
マキマは、公安対魔特異4課のリーダーであり、デンジの上司です。彼女は、チェンソーマンに変身したデンジを発見し、公安へ導いた人物です。
ビジュアルも美しく、デンジの憧れの存在として、作品内で異彩を放っています。リーダーとして優れたリーダーシップを発揮し、強い能力を持っているため同僚からもおそれられる存在です。
しかし、その詳細は謎に包まれています。作品内で徐々に明かされていくミステリアスな部分が、彼女の魅力を引き立てているのです。計算高く謎めいた性格でありながら、圧倒的な存在感を放っています。
ミステリアスな存在感が海外ファンの興味を引きつけ、マキマのキャラクターに対する考察や議論を生んでいるといえるでしょう。マキマの複雑な立ち位置が、物語に緊張感を与えています。
参照:MyAnimeList「Makima (Chainsaw Man)」
『チェンソーマン』以外の海外人気が高い『週刊少年ジャンプ』関連作品は以下のとおりです。
『ドラゴンボール』も海外人気の高い作品で、コミックスの累計発行部数は2億6,000万部を突破しています。
2023年にBEENOSグループが実施したアンケートでは、「最も好きなアニメ作品TOP10」において『ドラゴンボール』シリーズが2位にランクインしました。
シンプルながらも深い世界観と、個性豊かなキャラクターたちの冒険、成長と友情といった普遍的なテーマが世界中の人々の共感を呼んでいます。
また『ドラゴンボール』はアニメやゲーム、映画などさまざまなメディアで展開されており、世代を超えて愛される作品です。
参照: アニメフリークス「アニメ「ドラゴンボールダイマ」いつから放送?声優や内容を紹介!GTなどテレビシリーズの時系列も」
参照:BEENOS株式会社「越境ECを利用する海外アニメファン807名に聞いた「日本のアニメ受容とグッズ購入」に関するアンケート調査」
『ONE PIECE』も海外で非常に高い人気を誇る作品です。コミックスは全世界累計発行部数5億部を突破し、ギネス世界記録に認定されました。現在、60の国と地域で流通しています。
『ONE PIECE』の人気が高い理由は、壮大なストーリーと、個性的で魅力溢れるキャラクターたちにあるでしょう。緻密に作り込まれた伏線や迫力ある戦闘シーン、感動的なエピソードが、国境を超えて全世界のファンの心を掴み続けています。
友情や冒険、夢の追求など、普遍的なテーマも、多くの人々の共感を呼び起こしているのではないでしょうか。
ニュース - アニメハック「「ONE PIECE」全世界累計発行部数が5億部突破 ギネス世界記録も更新」
なお、『ONE PIECE』の海外人気についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
2024年9月に連載を終えた『呪術廻戦』も、海外で人気の高い作品の一つです。コミックスの累計発行部数は1億部(デジタル版ふくむ)を突破しました(2024年11月時点)。2024年度のクランチロール・アニメアワードでは「アニメ・オブ・ザ・イヤー」を獲得しています。
「呪い」をテーマにした日本独自の世界観や、大人も楽しめるダークなストーリーが、海外ファンを魅了しています。
緊張感のあるバトルシーンや、緻密に描かれた伏線も作品の魅力の一つです。ストーリー展開の意外性や独特な雰囲気と深いテーマが、国際的な支持を得ています。
参照:TVアニメ「「呪術廻戦」公式サイトINTRODUCTION/STORY」
参照:Crunchyroll「The Anime Awards」
なお、『呪術廻戦』の海外人気についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
『チェンソーマン』は、アメリカを中心に海外でも人気の高いアニメの一つです。ユニークでダークな世界観や、予想できないストーリー展開、壮絶なアクションシーンが大人からも人気を集めています。
キャラクターたちの複雑な心理描写や人間関係を描きつつ、緊張感のあるバトルや意外な展開が多くの人を魅了しています。
ただのエンターテインメントに留まらず、さまざまな解釈や考察を呼ぶ作品であるといえるでしょう。
IPにまつわる知識・ニュースを随時発信しています。