IPコンテンツとは?ビジネスへの活用方法や企業などを紹介
#学ぶ
2024.02.02

IPコンテンツとは?ビジネスへの活用方法や企業などを紹介

「IPコンテンツとは何か」「どのようにビジネスへ活かすのか」など、なかなかイメージがわきづらい部分も多いでしょう。

IPとは、知的財産のことを指します。ビジネスにIPを活用する企業が増え、近年はIPコンテンツ、IPビジネスのような言葉も多く聞かれるようになりました。IPビジネスの多種多様な方法も、注目を集めています。

今回はIPコンテンツの意味や、IPコンテンツをビジネスに活用させている企業やその方法をご紹介します。自社商品やサービスのPR・マーケティングなどの参考にしてみてください。

INDEX
  1. IPコンテンツとは
  2. IPコンテンツを使ったIPビジネスとは
  3. 日本のIPコンテンツが目指すべき戦略
  4. IPコンテンツ売上ランキング
  5. IPコンテンツを扱っている主要企業
  6. IPコンテンツに関するよくある質問
  7. 【まとめ】IPコンテンツの意味を知りビジネスの参考にしよう

IPコンテンツとは

IPコンテンツとは、知的財産権(Intellectual Property Rights)にもとづいて保護された、独自の知識や創作物の総称です。形の無い情報だったり、物として認識されていたりと、さまざまな形態で存在しています。

たとえば以下のようなものが、IPコンテンツに該当します。

  • ゲーム
  • 映画
  • アニメーション
  • マンガ
  • 小説
  • 音楽
  • キャラクター

また、これらには以下の知的財産権が認められます。

  • 著作権
  • 商標権
  • 特許権

IPとは何かについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。

IPコンテンツを使ったIPビジネスとは

IPコンテンツを活用して行うビジネスをIPビジネスといいます。

以下は、IPビジネスの例です。

ビジネスの種類

概要

IPコンテンツのライセンス提供

・開発したシステムをライセンス化し、他社に販売する。

IPコンテンツの商品化

・キャラクターグッズを製作する。

・アニメやゲームなどのコンテンツを、アプリやサイトで配信する。

IPコンテンツの展開

・小説・マンガなどのコンテンツを、アニメ・映画・ゲームなどのさまざまなメディアに展開させる。

たとえば任天堂株式会社では、スーパーマリオブラザーズをはじめとするさまざまなIPコンテンツの商品化に成功しています。2020年3月期には「モバイル・IP関連収入等」で512億円の売上をあげました(※)。

同社はIPコンテンツの展開にも力を入れており、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が全米で大ヒットしたのは記憶に新しい事例です。

上記はあくまでほんの一例であり、IPコンテンツを活用することで、さまざまなビジネスの活路が見出せます。

参照:任天堂ホームページ「2020年3月期 決算説明資料

IPのビジネス活用については、以下のページも参考にしてください。

▼関連記事
IPビジネスとは?メリット・デメリットや成功例などを解説

日本のIPコンテンツが目指すべき戦略

引用:PwC コンサルティング合同会社「調査事業成果報告書

PwCコンサルティング合同会社が経済産業省から委託を受けて作成した調査報告書によると、日本のIPコンテンツが目指すべき姿に向けて不可欠な要素は以下の6つです。

  1. 海外も視野に入れた事業戦略の策定
  2. グローバルでの成長可能性がありマルチメディア展開可能な IP作品の創出や見極め
  3. 海外のビジネス環境へ対応できる人材の育成や確保
  4. グローバルのビジネス環境に対応したスピーディな意思決定体制の構築
  5. IP 活用を円滑化するための権利運用の一元化
  6. 海外企業との交渉においても武器となる情報・チャネルの獲得

国内だけでなく、海外にも目を向けたマーケティングが重要とされています。

たとえば、事業企画の段階から海外を視野に入れ戦略を立てることや、現地のビジネス環境に関する情報やユーザーの動きを把握するためのチャネルを持っていたりすることが求められます。

実際に、マリオやポケモンなどのコンテンツでお馴染みの任天堂IPや、ガンダム関連のバンダイナムコIPは、海外でも人気沸騰中です。

海外にも目を向けることで、日本のIPコンテンツの更なる飛躍が期待できます。

IPコンテンツ売上ランキング

TITLEMAXが発表した、全世界における人気IPコンテンツの売上ランキングの1位から10位は以下のとおりです。

順位

総収益

1位 ポケットモンスター

総収益921億ドル(約13兆億5千億円)

2位 ハローキティ

総収益800億ドル(約11兆8千億円)

3位 くまのプーさん

総収益750億ドル(約11兆4百億円)

4位 ミッキーマウス

総収益706億ドル(約10兆4千億円)

5位 スターウォーズ 

総収益656億ドル(約9兆7千億円)

6位 アンパンマン

総収益603億ドル(約8兆9千億円)

7位 ディズニープリンセス

総収益452億ドル(約6兆7千億円)

8位 スーパーマリオ

総収益361億ドル(約5兆3千億円)

9位 少年ジャンプ

総収益341億ドル(約5兆2百億円)

10位 ハリーポッター 

総収益309億ドル(約4兆6千億円)

引用:TITLEMAX「The 25 Highest-Grossing Media Franchises of All Time

1位から10位では、日本のIPが5つランクインしています。日本のIPは世界的に大きな収益を叩き出していることがわかります。

下記の記事では売上ランキングについて詳しくまとめているので、気になる方はチェックしてみてください。

IPコンテンツを扱っている主要企業

IPコンテンツを扱っている主要企業は以下のとおりです。いずれも日本に本社を置き、独自IPのコンテンツ化に成功しています。日本のIPビジネスを牽引する企業と言えるでしょう。

  • 1.株式会社サンリオ|キャラクター・グッズなど
  • 2.ソニー株式会社|ゲーム・アーティストなど
  • 3.バンダイナムコホールディングス|ゲーム・アニメ・映画など
  • 4.株式会社ブシロード|カードゲーム・アニメなど
  • 5.株式会社KADOKAWA|ライトノベル・アニメなど

1.株式会社サンリオ|キャラクター・グッズなど

引用:株式会社サンリオ「サンリオ

株式会社サンリオは、日本を代表するキャラクター製造・販売企業です。企業としては、キャラクターグッズの販売やライセンス契約による収入が主な収益源となっています。

サンリオは、世界的に有名なキャラクター「ハローキティ」をはじめ、多くのキャラクターを生み出しています。サンリオのIPコンテンツは世界中で人気があり、グローバルに展開されています。

IP展開

具体例

キャラクターを用いた商品の自社開発、販売

・文房具や雑貨など、多岐にわたる各種キャラクターグッズ

自社キャラクターを用いたアニメや映画の制作

・サンリオ世界名作映画館

・サンリオアニメ世界名作劇場

など

自社キャラクターや世界観のテーマパーク運営

・サンリオピューロランド(東京都多摩市)

・ハーモニーランド(大分県)

安価なライセンス料で柔軟なキャラクター利用の許諾

・化粧品とのコラボレーション

・イベントなどでの宣伝活動

・カラオケボックスや航空機・新幹線などの空間デザイン

など

2.ソニー株式会社|ゲーム・アーティストなど

引用:ソニー株式会社「ソニーグループポータル

ソニー株式会社は、日本を代表する電機メーカーであり、幅広いエレクトロニクス製品やエンターテインメントコンテンツを提供している企業です。

1946年に設立され、テレビ・オーディオ機器・カメラ・ゲーム機など、幅広い家電製品の製造・販売をしています。

中でも「PlayStation」は家庭用ゲーム機として世界中で人気を博しており、ソニー株式会社におけるIPコンテンツの代表例ともいえるでしょう。

IP展開

具体例

家庭用ゲーム機の開発・製造・販売

・PlayStation

・OS Vita

など

劇場用映画・テレビ番組・録画ビデオなどの制作・取得・配給

・ソニー・ピクチャーズ

音楽ソフトの企画・制作・宣伝

・Sony Music

3.バンダイナムコホールディングス|ゲーム・アニメ・映画など

引用:株式会社バンダイナムコエンターテインメント「バンダイナムコエンターテインメント

バンダイナムコホールディングスは、日本の総合エンターテインメント企業であり、玩具・ゲーム・アニメ・映画・音楽など多岐にわたるコンテンツを展開している企業です。

世界に35の事業拠点を持ち、アニメやゲームなど日本の人気コンテンツを世界に広げる役割も担っています。近年では、IPメタバース戦略と銘打って、IPコンテンツを活用したビジネスに力を入れている企業です。

IP展開

具体例

各種玩具・フィギュアの製作・販売

・玩具

・フィギュア

・プラモデル

・カプセルトイ

アニメや映画の制作・配信

・ガンダムシリーズ

・ラブライブ! シリーズ

・コードギアスシリーズ

など

ゲームタイトルの企画・開発・制作

・テイルズシリーズ

・鉄拳

・ドラゴンボールゲーム

・パックマン

など

バンダイナムコのIP戦略であるIPメタバースについては、こちらのページで紹介しています。

▼関連記事
バンダイナムコのIPメタバースとは?事業計画からIP戦略を徹底解説

4.株式会社ブシロード|カードゲーム・アニメなど

引用:株式会社ブシロード「ブシロード公式サイト|製品・イベント

株式会社ブシロードは、日本のトレーディングカードゲームやボードゲームの企画・制作・販売をする企業です。

アニメや音楽などのエンターテインメントコンテンツも手掛ける総合エンターテインメント企業でもあります。

IP展開

具体例

カードゲームやボードゲームの開発、販売

・正気の沙汰じゃない犯行予告

・アドリブ総選挙

・ファンサの神ゲー

など

アニメーションの製作

・ラブライブ!シリーズ

・てっぺんっ!!!!!

・バンドリ!(BanG Dream!)

など

5.株式会社KADOKAWA|ライトノベル・アニメなど

引用:株式会社KADOKAWA「KADOKAWAオフィシャルサイト

株式会社KADOKAWAは日本の出版社であり、書籍・雑誌・ライトノベル・コミックスなどの出版を手掛ける企業です。アニメ制作会社としても知られており、エンターテインメントコンテンツの制作・提供にも力を入れています。

主な出版物には、小説・雑誌・マンガ・写真集・ビジュアルブック・エンターテインメント関連書籍などがあります。

IP展開

具体例

書籍・雑誌の編集・出版

・スタミュ

・パンどろぼう

・君には届かない。

・3分クッキング

・レタスクラブ

・ザテレビジョンShow

など

ライトノベル・コミックスの編集・出版

・とある魔術の禁書目録

・Re:ゼロから始める異世界生活

・魔法科高校の劣等生

など

アニメーションの製作

・時をかける少女

・涼宮ハルヒの憂鬱

・ケロロ軍曹

・ソードアート・オンライン

など

IPコンテンツに関するよくある質問

IPコンテンツに関するよくある質問は以下のとおりです。

  • IP業界とはどういう意味?
  • IPものゲームとはどういう意味?
  • コンテンツIP事業とは?

IP業界とはどういう意味?

IP業界とは、IPコンテンツの創造・保護・管理・商業的な活用などに関わる産業全体を指します。

IP業界には、映画製作会社・ゲーム会社・出版社・音楽レーベル・キャラクタービジネスを展開する企業などが含まれます。

IPものゲームとはどういう意味?

IPものゲームとは、既存の知的財産権(IP)をもつキャラクターや作品を題材としたゲームのことを指します。既存の人気コンテンツを活用することで、ゲームの知名度や認知度を高め、既存のファン層にアピールできるのが強みです。

IPものゲームについて詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ一緒にお読みください。

コンテンツIP事業とは?

コンテンツIP事業とは、作品やキャラクターなど既存のコンテンツの知的財産権(IP)を活用し、それを基に新たなビジネス展開や収益を生み出す事業のことです。

コンテンツIP事業では、既存のコンテンツがもつ知名度や人気を活かして新たなビジネス機会を展開できます。

【まとめ】IPコンテンツの意味を知りビジネスの参考にしよう

IPコンテンツとは、知的財産権にもとづいて保護された独自の知識や創作物を指します。IPコンテンツを使ったビジネスはIPビジネスと呼ばれ、近年活用事例が増えています。

IPを活用したビジネスは、そのIPの持続的な価値に支えられるため、長期的なビジネス安定性が高まります。また、IPを異なるメディアやプラットフォームに展開することで、より多くのターゲット層にリーチできるでしょう。

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